トピックス
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会議発表・論文・出版2018.08.01
太陽系が誕生するよりも遙か昔の宇宙において、現在の私たちが住む天の川銀河内で見つかっているような、水や有機物などの生命誕生の材料となり得る物質は存在していたのでしょうか? 新領域創成研究部の下西隆助教は、筑波大学、東京大学、理化学研究所、国立天文台の研究者らと共に、世界最大の干渉計型電波望遠鏡アルマを用いて、天の川銀河の近くに位置する系外銀河「小マゼラン雲」の中に存在する生まれたばかりの星(原始星)を観測しました。その結果、世界で初めて小マゼラン雲において、星間空間に存在する大型有機分子の一種であるメタノールを発見しました。小マゼラン雲は、重元素量 (星間空間に存在する炭素や酸素などの比較的重い元素の水素に対する割合)という点で、過去の宇宙に存在した銀河に共通する環境的特徴を持っています。 本研究は、生命の材料となり得る有機分子が、天の川銀河とは極めて異なる環境を持つ銀河においても生成されていることを発見し、過去の宇宙に類似した環境下における星や惑星の材料物質の分子化学的多様性の一端を明らかにした重要な発見です。 本研究成果は、国際学術誌" The Astrophysical Journal"において2018年7月27日に掲載されました。 論文情報: Takashi Shimonishi, Yoshimasa Watanabe, Yuri Nishimura, Yuri Aikawa, Satoshi Yamamoto, Takashi Onaka, Nami Sakai, and Akiko Kawamura, “A Multiline Study of a High-mass Young Stellar Object in the Small Magellanic Cloud with ALMA: The Detection of Methanol Gas at 0.2 Solar Metallicity", ApJ, 2018, 862, 102 DOI: 10.3847/1538-4357/aacd0c http://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/aacd0c/meta
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会議発表・論文・出版2018.07.31
学際科学フロンティア研究所 新領域創成研究部の梨本裕司助教は、東北大学工学研究科の伊野浩介准教授、珠玖仁教授、平典子さん、スペインのthe Institute of Bioengineering of Catalonia (IBEC)所属のJavier Ramon Azcon博士らと共同で、マイクロ/ナノ電極を用い、細胞内の物質を計測する手法に関する総説論文を発表しました。 近年、からだの中の細胞を個々に評価する単一細胞解析技術により、同一の組織を構成する同種の細胞でも、その機能に大きなばらつきがあることが明らかとなりました。このような細胞ごとの個性を評価する技術は、生命の本質に迫る技術として注目されています。 細胞機能の評価法として、主に蛍光を用いた手法が用いられておりますが、細胞と同等以下のサイズを有するマイクロ/ナノ電極を用いた細胞機能の測定法は、非ラベルに計測可能、測定部をコンパクトに集積化可能などといった特徴があります。 本論文は、単一細胞計測を行う研究者へ、技術の特徴、および近年の動向を広く紹介するものです。 論文情報: Kosuke Ino, Yuji Nashimoto, Noriko Taira, Javier Ramon Azcon, Hitoshi Shiku “Intracellular Electrochemical Sensing”, Electroanalysis, in press. DOI: 10.1002/elan.201800410.
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会議発表・論文・出版2018.07.27
書籍出版 本研究所の津村耕司助教は、7月25日に大和書房より、 『天文学者に素朴な疑問をぶつけたら宇宙科学の最先端までわかったはなし』 というタイトルの書籍を出版しました。 これは、前作の 『宇宙はなぜ「暗い」のか?』 の評判を受け、より広く宇宙についての面白さを一般に伝える内容の本となっています。 本書では、「地球が丸いとなぜわかるのか」「真空の宇宙で太陽はどうやって燃えているのか?」 「この宇宙に地球のような星はあるのか?」「宇宙人はいるのか?」「タイムマシンはできるのか?」など、 子供でも思いつくような素朴な疑問を題材に、宇宙科学の最先端について広く紹介する内容となっています。 【書籍情報】 津村耕司 著 『天文学者に素朴な疑問をぶつけたら宇宙科学の最先端までわかったはなし』 大和書房 四六判/224ページ 1680円 (本体1,500円+税) ISBN: 978-4479393115 #s3gt_translate_tooltip_mini { display: none !important; }
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お知らせ2018.07.27
津村 耕司 助教(新領域創成研究部) NHK仙台放送局ラジオ第1『ゴジだっちゃ!』への出演 放送日/2018年8月1日 新領域創成研究部の津村耕司助教は、NHK仙台放送局のラジオ第1の番組『ゴジだっちゃ!』(8月1日放送)に出演します。 (前回の様子) 2ヶ月に1度のペースで出演している「津村満天堂」、今回のテーマは「宇宙と音楽」です。 音楽家でもあるパーソナリティの名雪祥代さんとのコラボ企画で、名雪さんセレクトの宇宙にまつわる音楽について、その曲に関する宇宙の話を津村助教がする予定です。 また、9月1日には、宇宙と音楽のコラボイベント 「仙台市天文台×東北大学大学院理学研究科公開サイエンス講座第2回 宇宙×音楽~サックスカルテットで紡ぐ『惑星』のお話~」▶HP を開催しますので、こちらもあわせてお楽しみください。 ■ゴジだっちゃ!(番組ページ)
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会議発表・論文・出版2018.07.23
プレスリリース 新領域創成研究部の鈴木勇輝助教は、京都大学、オリンパス株式会社との共同研究において、細胞が外界の物質を取り込む際の直径数100nmの陥入構造を生きた細胞で可視化し、その分子機構に関して新しい知見を手に入れることに成功しました。細胞膜の陥入(エンドサイトーシス)は、細胞が外界の物質やシグナル分子を取り込む一般的なしくみとして古くから知られていましたが、膜の形態変化を誘導する分子機構に関しては、不明な点が多く残されていました。共同研究グループは、生きた細胞の細胞膜を可視化する特殊な顕微鏡を独自に開発し、今回、エンドサイトーシスに伴う細胞膜の微小構造変化を捉えることに成功しました。そして、その詳細な解析により、細胞内部で膜を支えるタンパク質骨格が重要なはたらきをしていることを証明しました。この技術は、細胞表層で進行する様々な生命現象、例えばウイルス・細菌感染、神経伝達、がん、免疫反応など、の理解・解明に資する大きな技術革新です。 本研究成果は、2018年5月3日に国際学術誌「PLOS Biology」にオンライン掲載され、7月18日に京都大学、日本医療研究開発機構、および本学よりプレスリリースされました。 論文情報: A. Yoshida, N. Sakai, Y. Uekusa, Y. Imaoka, Y. Itagaki, Y. Suzuki, S.H. Yoshimura, "Morphological changes of plasma membrane and protein assembly during clathrin-mediated endocytosis", PLOS Biology, May 3, 2018 DOI:org/10.1371/journal.pbio.2004786 http://journals.plos.org/plosbiology/article?id=10.1371/journal.pbio.2004786 プレスリリース: http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2018/07/press20180718-01-saibou.html #s3gt_translate_tooltip_mini { display: none !important; }
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会議発表・論文・出版2018.07.18
学際科学フロンティア研究所 先端学際基幹研究部の才田淳治教授グループの教育研究支援者の郭威博士(現:中国 華中科学技術大学)および新領域創成研究部 山田 類助教らは、ナノスケール不均質構造をもった特異な Cu-Zr-Al 金 属ガラスの熱的構造若返り(緩和状態の制御)現象を調べ、塑性変形性に大きな影響を与えることを見いだし、科学誌Journal of Non-Crystalline Solidsに発表しました。 金属ガラスはランダム原子配列のため、結晶材料のような転位による変形をしないことから通常広い弾性変形の後に、降伏することなく破断するという特徴があります。また一般に、金属ガラスを低温で熱処理することで、微細な構造変化(原子配列の乱雑性のわずかな規則化(構造緩和))が起こり、脆化が促進することが知られています。郭博士は、作製状態でナノスケールの不均質構造を自己生成するCu-Zr-Al 金属 ガラスに注目し、構造緩和させた後、熱的な構造若返り処理によって部分的に未緩和状態に戻せることを明らかにしました。また、このような構造若返りによって塑性変形性が大きく変化することも見いだし、その機構について考察しました。この成果は金属ガラスにおける新たな構造制御法を提案するものです。 本成果は東北大学学際科学フロンティア研究所 学際研究促進プログラム「ランダム原子配列構造制御の基礎科学と新材料・新機能創成への融合展開」(平成26~28年度)の支援を受けて行った研究の一部です。 掲載論文: W. Guo, R. Yamada, J. Saida, Shulin Lu, Shusen Wu: Journal of Non-Crystalline Solids : 498 (2018) 8 –13. Thermal rejuvenation of a heterogeneous metallic glass. DOI: 10.1016/j.jnoncrysol.2018.05.038
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研究会等のお知らせ2018.07.17
第3回 FRIS若手研究者学際融合領域研究会(FRIS Retreat) 東北大学学際科学フロンティア研究所(FRIS)新領域創成研究部には、様々な学問分野を専門とする若手研究者が在籍し、独創的あるいは分野の垣根にとらわれない研究を志向しています。 全領域の若手研究者が一堂に会し、お互いの研究分野を深く理解することで、FRISのミッションである「異分野融合による学際的研究の開拓と推進」を図ります。 他大学の若手研究者も交え、討論も行う合宿形式の研究会を実施します。 招待講演:前多 裕介 准教授(九州大学理学研究院) 会場:ホテル松島大観荘 ※詳細は 実施要項 をご覧ください。 申し込み 2018年7月30日(締切) 学際科学フロンティア研究所 事務室 楠田 望 E-mail:@ 問い合せ 学際科学フロンティア研究所 中嶋悠一朗 助教 E-mail:@ 野田博文 助教 E-mail:@
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研究会等のお知らせ2018.06.29
発表者:古川 恭平 博士研究教育院生(生命・環境領域)ほか 場所:学際科学フロンティア研究所1階 大セミナー室 ■全領域合同研究交流会について(30年度前期開催日程掲載)
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研究会等のお知らせ2018.06.28
全領域合同研究交流会 特別企画「第3回 FRIS/DIARE Joint Workshop」 日時:平成30年7月30日(月)10時~ 会場:東北大学 片平さくらホール 発表者:学際科学フロンティア研究所教員、学際高等研究教育院生 ほか 学際科学フロンティア研究所と学際高等研究教育院が共同で定例開催している「全領域合 同研究交流会」では、若手研究者と教育院生が分野・領域を問わず一堂に会し、交流と創造を目的に活発な議論を行っています。本企画では、通常より大幅に多い参加人数と発表数を設定し、参加者に東北大で現在行われている様々な学際研究を一日で知っていただき、それらに携わる多くの研究者と交流していただくことを目的としています。 どなたの参加も歓迎です。是非お気軽にご参加ください。 ◆参加予定者及び発表タイトル 問い合わせ先 学際高等研究教育院 総合戦略研究教育企画室 @ ■全領域合同研究交流会について(30年度前期開催日程掲載)
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研究会等のお知らせ2018.06.19
FRIS-TFC Joint Symposium 紐帯の織り手:ネットワーク形成の極意とアカデミアの役割 日時:2018年7月11日 9時30分~ 主催/東北大学 学際科学フロンティア研究所(FRIS) 東北大学研究推進・支援機構知の創出センター(TFC) 共催/連携型博士研究人材総合育成システム(FoXFoRD) 東北大学学位プログラム推進機構学際高等研究教育院(DIARE) 会場:東北大学 片平キャンパス 知の館 MAP(B02) [ 申込不要・参加自由 ] プログラム: 第一部:訪問滞在型ネットワーキング - 09:30 開会挨拶 早坂忠裕(東北大学理事・副学長) - 09:35 基調講演1: 佐藤譲 准教授(北海道大学) - 10:25 基調講演2:大平英樹 教授(名古屋大学) - 11:15 基調講演3:當真賢二 准教授(東北大学学際科学フロンティア研究所) 第二部:博士号の価値は - 13:35 講演1 田畑俊行 博士(Laser Systems and Solutions of Europe (LASSE)) - 14:15 講演2 有松唯 博士 (UNESCO・広島大学) - 14:55 講演3 林育菁 博士(Goertek Technology Japan) - 休憩 - 15:50 パネルディスカッション 田畑博士、有松博士、林博士、学際高等教育院生代表 司会 田村光平(東北大学学際科学フロンティア研究所) - 17:30 閉会挨拶 早瀬敏幸(東北大学 学際科学フロンティア研究所長) - 18:00 情報交換会 シンポジウムWebページ 問い合わせ 学際科学フロンティア研究所 事務室(橋本) @ #s3gt_translate_tooltip_mini { display: none !important; }