トピックス
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受賞2019.06.03
奥村正樹助教 発表論文がF1000Primeによる推薦論文に選出 新領域創成研究部 奥村正樹助教がNature Chemical Biologyに投稿した論文「Dynamic assembly of protein disulfide isomerase in catalysis of oxidative folding」が、全世界の約4000名の研究者が優れた論文を推薦する「Faculty of 1000」に選出されました。 https://www.altmetric.com/details/59053257/research-highlights Faculty of 1000について https://www.sunmedia.co.jp/e-port/f1000/ https://f1000.com/
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受賞2019.06.03
増本 博教授 論文誌Scientific reportsの2018年「Top100 in Physics」に選出 先端学際基幹研究部 増本 博教授が2017年にScientific Repots に投稿した論文「Giant Faraday Rotation in Metal-Fluoride Nanogranular Films」は、2018年に最も閲覧回数の多い物理学分野の論文(トップ100)の一つとして選ばれたことがNature Researchより報告されました。 https://www.nature.com/collections/afggedgdbj
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研究会等のお知らせ2019.05.20
The 3rd FRIS-TFC Collaboration Event / 第22回 学際科学フロンティア研究所セミナー これがブラックホールだ ! 〜第一線の研究者が語る真実〜 ブラックホールとは何なのか? 光さえ吸い込んで見えないはずなのに、 どうして観測できたのか? ブラックホールは我々人類と どういう関係にあるのか? 今年4月10日、人類が初めて目にしたブラックホールの画像が、世界6カ所同時に公開され大きな話題となった — その観測に成功したイベント・ホライズン・テレスコープの日本チーム代表 本間希樹 教授(国立天文台)、 チームメンバーで地元東北大学 當真賢二 准教授(FRIS)。 この2人の天文学者がブラックホール研究の真実と醍醐味をわかりやすくお話しします。 一緒に、宇宙の不思議に迫ってみましょう。 主催/東北大学 学際科学フロンティア研究所(FRIS) 東北大学研究推進・支援機構知の創出センター(TFC) [ 参加無料 ] ※事前申込制 日時:2019年6月29日(土)13:30~15:00〔開場 13:00〕 会場:東北大学 片平キャンパス 知の館 MAP(B02) ※下記申込webサイトよりお申込みください。詳細は申し込みwebサイトをご覧ください。 https://www2.fris.tohoku.ac.jp/~blackhole/form.php (定員100名/先着順) 講演: 本間 希樹(国立天文台水沢VLBI観測所 所長) 1971年、米国テキサス州生まれ。1999年、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士。 国立天文台助手、准教授を経て、現在は国立天文台水沢VLBI観測所所長。専門は、超高分解能電波観測による銀河系天文学。特に、銀河系の構造研究と、巨大ブラックホールの研究。イベント・ホライズン・テレスコーププロジェクトの日本側責任者である。 當真 賢二(東北大学学際科学フロンティア研究所 准教授) 1979年、大阪府生まれ。2008年、京都大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。 国立天文台研究員、米国ペンシルバニア州立大学研究員、日本学術振興会特別研究員SPD(大阪大学在籍)、東北大学学際科学フロンティア研究所助教を経て、現在は同研究所准教授。理論宇宙物理学を専門として、他に様々な学際研究に取り組んでいる。 問い合わせ 学際科学フロンティア研究所 事務室(橋本) @
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会議発表・論文・出版2019.05.17
ホイスラー合金は磁性・スピントロニクス材料、熱電材料、形状記憶合金などとして精力的に研究されている物質群ですが、小嶋隆幸助教はこれを触媒に応用する研究に取り組んでいます。 この度、これまでの自身の研究、他の関連研究および今後の展望についてまとめた総説論文を発表しました。 本論文は、ホイスラー合金について触媒という観点からまとめた初めての総説であり、オープンアクセスであることからも幅広い分野の読者が想定され、本研究のさらなる発展につながると期待されます。 論文情報: Takayuki Kojima, Satoshi Kameoka, An-Pang Tsai, “The emergence of Heusler alloy catalysts”, Science and Technology of Advanced Materials, 20 (2019) 445–455. https://tandfonline.com/doi/full/10.1080/14686996.2019.1598238
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研究会等のお知らせ2019.05.14
学際科学フロンティア研究所の當真賢二准教授は、仙台市天文台のイベント『見えない天体をついに見た!―ブラックホールの直接撮像に挑んだ研究者たち』にて講演します。 2019年4月10日、研究チームは世界6か所で同時に行われた記者会見において、巨大ブラックホールとその影の存在を初めて画像で直接証明することに成功したことを発表しました。當真准教授はチームメンバーの一人です。 他二人のメンバーとともに、観測の舞台裏やブラックホール研究の面白さについてお話します。 会場などの詳細については、仙台市天文台ホームページをご覧ください。(申込不要) http://www.sendai-astro.jp/event/2019/04/post-56.html (Credit: EHT Collaboration)
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研究会等のお知らせ2019.04.25
発表者: 中内 将隆(物質材料・エネルギー領域) 松木 泰子(薬学研究科/生命・環境領域) 林 真貴子(医学研究科/生命・環境領域) ほか 場所: 学際科学フロンティア研究所1階 大セミナー室 ■全領域合同研究交流会について
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会議発表・論文・出版2019.04.22
新領域創成研究部の吉野大輔助教と流体科学研究所の船本健一准教授(2019年3月まで本研究所新領域創成研究部 准教授)は、低酸素状態のがん微小環境におけるがん細胞、血管内皮細胞と細胞外基質の相互作用について、米国物理学協会オープンアクセス誌AIP Advancesに論文発表を行いました。また、本論文は、注目度の高い論文として「Editor’s pick」に選定されています。 がんの進展と転移のメカニズムを理解するためには、がん細胞と正常細胞で作られるがん微小環境を包括的に分析することが必要不可欠です。本研究では、酸素濃度を制御できるマイクロ流体デバイスにがん細胞、血管内皮細胞、細胞外マトリクスを配置することで、低酸素がん微小環境を模擬するマイクロチップ(がん微小環境模擬チップ)を開発しました。さらに、このマイクロチップを用いて、低酸素環境のがん細胞と血管内皮細胞の相互作用の包括的な解析を試みました。がん細胞と血管内皮細胞の相互作用により細胞周囲の細胞外マトリクスの収縮と分解が促進されますが、低酸素環境では細胞外マトリクスの分解酵素の生成抑制により、その効果が減少することが明らかになりました。この成果は、低酸素環境のがん微小環境のがんの進展と転移のメカニズムの解明に有益な情報をもたらすものです。 本研究は、文部科学省科学研究費助成事業、北海道大学、東北大学、名古屋大学がコンソーシアムを組んで推進する「次世代研究者育成プログラム」、東北大学研究所若手アンサンブルグラントなどの支援を受けて実施されました。 論文情報: Daisuke Yoshino, Kenichi Funamoto, Oxygen-dependent contraction and degradation of the extracellular matrix mediated by interaction between tumor and endothelial cells, AIP Advances, Vol. 9, Issue 4, (2019), 045215. DOI: 10.1063/1.5089772 (2019年4月15日 Online掲載) https://aip.scitation.org/doi/10.1063/1.5089772
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受賞2019.04.22
梅津理恵 准教授(学際研究支援プログラム研究代表者、金属材料研究所) 「第39回猿橋賞」を受賞 受賞発表日/2019年4月15日 学際研究支援プログラム(課題名:機能性材料のドメイン構造解析と電歪特性制御(2016-2018年度))の研究代表者である梅津理恵准教授(金属材料研究所)が第39回猿橋賞を受賞しました。 本賞は、自然科学分野において顕著な研究業績を収めた女性科学者(毎年1名)に送られるもので、本学では2005年第25回以来2人目の受賞となります。 詳細は金属材料研究所のHP(http://www.imr.tohoku.ac.jp/ja/news/news/detail---id-1101.html)をご覧ください。
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会議発表・論文・出版2019.04.18
プレスリリース ジスルフィド結合導入酵素によるたんぱく質の立体構造形成促進機構を解明 ~構造異常たんぱく質が引き起こす神経変性疾患などの原因解明に光~ 【発表のポイント】 高速原子間力顕微鏡を用いた観察により、ジスルフィド結合導入酵素プロテインジスルフィドイソメラーゼ(PDI)が、構造未成熟な基質を捕獲する様子を可視化することに世界で初めて成功した。 高速原子間力顕微鏡により捉えたPDIの動きが、たんぱく質の効率的な立体構造形成促進に重要であることを明らかにした。 PDIの基質認識機構および立体構造形成促進機構に対する理解が深まったことにより、構造異常たんぱく質が引き起こす種々の疾病の成因解明につながると期待される。 【概要】 新領域創成研究部の奥村正樹助教、東北大学 多元物質科学研究所の稲葉謙次教授(生命科学研究科、大学院理学研究科化学専攻 兼任)、熊本大学 発生医学研究所の小椋光教授、野井健太郎博士(現 大阪大学 ナノサイエンスデザイン教育研究センター 特任助教)らの研究グループは、JST戦略的創造研究推進事業において、高速原子間力顕微鏡注1)により、ジスルフィド結合注2)導入酵素プロテインジスルフィドイソメラーゼ(PDI)が構造未成熟な基質を捕獲する様子を可視化することに世界で初めて成功し、同酵素によるたんぱく質の立体構造形成促進機構に関する全く新しい概念を提唱しました。 細胞内には、たんぱく質高次構造の形成反応を促進する仕組みがあります。特に構造未成熟なたんぱく質の構造修復の仕組みは、我々の生体内で不良たんぱく質の蓄積を防ぐために必要不可欠です。しかしながら、いまだどのようにして細胞内の補助因子が構造未成熟なたんぱく質を認識し、構造修復のため働いているのかよくわかっていませんでした。 PDIファミリーたんぱく質注3)の1つであるPDIは、哺乳動物細胞の小胞体注4)内で、立体構造形成前のたんぱく質にジスルフィド結合を導入させたり誤って形成されたジスルフィド結合を修復したりなどの機能を担っています。PDIの結晶構造注5)は4つのドメインから構成されるU字構造であり、動きに富むことが示唆されていましたが、この動きがPDIの機能発現にどう関わるか解明されていませんでした。 そこで、高速原子間力顕微鏡による1分子レベルでの観察により、PDIが酸化還元状態依存的にドメインの動きを制御していることを明らかにしました。さらに、BPTI、RNaseA、ラミニン、プラスミノーゲンといった形や大きさ、ジスルフィド結合の数が異なるさまざまな基質を還元変性させた状態で添加すると、PDIは二量体へ会合し、その中央に形成される空間(キャビティ)に基質が取り込まれる様子を観察することに世界で初めて成功しました。これにより、PDIが触媒するたんぱく質の酸化的フォールディング注6)の全く新しいモデルを提唱するに至りました。 本研究成果は、2019年4月15日16時(英国時間)に「Nature Chemical Biology」のオンライン速報版で公開されました。 【用語解説】 注1) 高速原子間力顕微鏡(高速AFM) 基板に固定した分子を、先が極めて細い針で触れながら高速に走査することで、分子の形状と動きを一分子レベルでリアルタイムに観測するナノテクノロジー。 注2) ジスルフィド結合 近接する2つのシステイン残基のチオール官能基(-SH)が酸化され、硫黄原子間で架橋される共有結合。たんぱく質の立体構造形成を安定化する役割がある。 注3) PDIファミリーたんぱく質 ジスルフィド結合の形成、組み換え、開裂を担う小胞体中に存在する酵素群のこと。ヒト細胞の小胞体中では20種類以上のPDIファミリーたんぱく質が存在する。 注4) 小胞体 細胞内小器官の1つであり、分泌たんぱく質が合成される。この区画で、分泌たんぱく質は酵素依存的に糖鎖修飾やジスルフィド結合形成を受ける。 注5) 結晶構造 X線結晶構造解析と呼ばれる手法によって決定される分子構造。多くの場合は高分解能であり、原子レベルで分子構造を決定することができる。 注6) 酸化的フォールディング ジスルフィド結合形成と共役して、たんぱく質の立体構造が形成される反応のこと。インスリンや免疫グロブリンなど医学的にも重要な多くのたんぱく質も、このプロセスを経て、立体構造および生理機能を獲得する。 図1 PDIの二量体形成 (上図)構造未成熟な基質を添加するとPDIは二量体を形成し、基質の立体構造形成に応じて単量体へと解離する。PDI二量体を拡大すると空洞が生じていることがわかる。 (下図)この空間に基質が取り込まれる様子。この中央の空洞が、基質の酸化的フォールディングの触媒に重要な役割を果たす。 プレスリリース: 東北大学 東北大学 多元物質科学研究所 熊本大学
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会議発表・論文・出版2019.04.18
細胞内小器官の1つである小胞体内腔には、蛋白質の品質管理を担うプレーヤーとして多数の分子シャペロンやジスルフィド結合導入酵素などが存在します。近年、これらプレーヤーの中でもProtein Disulfide Isomerase (PDI) ファミリーが、インスリンや免疫グロブリンなどの小胞体でつくられる重要な調節因子をターゲットとして、構造形成、ジスルフィド結合導入、凝集の抑制など、様々な面からこれらの品質管理を行っていることがわかってきました。最近では、PDIファミリーの機能不全が神経変性疾患をはじめとしたミスフォールディング病と関係することも指摘されています。 そこで、新領域創成研究部の奥村正樹助教、現日本学術振興会特別研究員PDの松﨑元紀博士(平成30年度、東北大学学際研学術研究員)、現関西学院大学の金村進吾助教(平成29年度、東北大学学際研学術研究員)、東北大学学際研学術研究員の木下岬博士、韓国基礎科学支援研究院Lee教授、および東北大学多元物質科学研究所の稲葉謙次教授らは、構造生物学を中心に、生物物理学・細胞生物学、また蛋白質一分子の動的解析といった様々な視点から、当該分野の最新の報告や歴史について、概説する論文(Review)を「Biochimica et Biophysica Acta (BBA) – General subjects」誌にて発表し4月12日付でオンライン版に掲載されました。 論文情報: M. Matsusaki#, S. Kanemura#, M. Kinoshita#, YH. Lee, K. Inaba*, and M. Okumura* (#equal contribution, *corresponding authors) "The Protein Disulfide Isomerase Family: from Proteostasis to Pathogenesis" Biochimica et Biophysica Acta (BBA) – General subjects doi: 10.1016/j.bbagen.2019.04.003