トピックス
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研究会等のお知らせ2021.01.12
オンライン開催 Global Fishing Watchの津田真樹氏をお招きして、データサイエンティストの仕事と社会での役割について講演頂くことで、自分のキャリアについて新しい視点で考えてもらいます。 講演者: 津田 真樹 氏(Global Fishing Watch) タイトル:「アカデミアから企業そしてNPOへ データサイエンティストとしてのキャリア」 日 時:1月19日(火)16:20~17:50 セミナーのURLは後日登録頂いたメールアドレス宛に送信されます。 参加ご希望の方は 参加申し込みフォーム よりご登録ください。 主催:東北大学学際科学フロンティア研究所 お問い合わせ 学際科学フロンティア研究所 助教 田村 @
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会議発表・論文・出版2021.01.04
上皮組織は多細胞体制に必須であり、われわれヒトを含めた動物の体づくりに欠かせない組織です。発生や恒常性を維持する過程では、上皮組織の構造がロバストに維持されますが、その仕組みの1つに細胞の分裂方向が挙げられます。上皮組織における細胞の分裂方向は上皮面と平行であることを特徴としています。近年、モデル動物であるショウジョウバエの上皮組織である翅原基(将来の翅になる予定の幼虫組織)を用いて、細胞の分裂方向をはじめとした、上皮構造を維持する仕組みの分子レベルでの解明が行われています。今回、新領域創成研究部の中嶋悠一朗助教は、ショウジョウバエの翅原基を用いて上皮構造や細胞分裂方向を解析するための体系的な手法についての論文を発表しました。迅速な組織の解剖手法や、3次元的な上皮構造を維持した組織観察法は、翅原基を用いた幅広い研究へ適用可能であるだけでなく、他の組織観察にも応用可能な実験手法です。 本成果は学術雑誌 Methods in Molecular Biology に2020年12月6日付でオンライン先行掲載されました。 掲載論文: Yu-ichiro Nakajima “Analysis of Epithelial Architecture and Planar Spindle Orientation in the Drosophila Wing Disc”, Methods in Molecular Biology 2020 Dec 6. doi: 10.1007/7651_2020_340. https://link.springer.com/protocol/10.1007%2F7651_2020_340 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33280064/
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研究会等のお知らせ2020.12.22
Zoom によるWeb開催となります。 教育院生及び学際研関係者以外の方で参加をご希望の方は1月13日(水)までに下記のフォームから申し込みをお願い致します。 追って参加方法等についてご連絡致します。 申込書フォーム https://forms.gle/ncz5LiyyN4KuZFCX8 ※参加には東北大メールが必要となりますので予めご確認下さい。 日時: 1月15日(金)13:00~ ※学内限定とさせて頂きます 発表者: 吉野聖人(博士研究教育院生/情報・システム) 柴田剛明(博士研究教育院生/生命・環境) 前野優香理(博士研究教育院生/生命・環境) ほか 場所: オンラインセミナー(Zoom) ■全領域合同研究交流会について
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会議発表・論文・出版2020.12.21
脳の正常な活動には、適正なイオンバランスが不可欠です。特にpHは、ある一定の範囲内で厳密に調節されており、その範囲を大きく超えると脳の異常活動を引き起こすと指摘されています。高い時間・空間分解能で脳内のpHを測定できれば、脳機能の理解、病気のメカニズムの解明や予防・治療に繋がることが期待されます。 東北大学の学際科学フロンティア研究所郭媛元助教(本学医工学研究科・医学系研究科兼務)と医工学研究科吉信達夫教授、医学系研究科虫明元教授らは、熱延伸技術で作製された多機能ファイバと、イオン濃度分布を可視化できる半導体化学イメージセンサを組み合わせることで、生体埋め込み型の新しいpH可視化プローブを開発し、脳内の複数点においてpH変化を同時に高感度で測定することを可能にしました。また、世界で初めて、脳深部の海馬において、疼痛刺激に伴うpHの微小変化をリアルタイムで補捉することに成功しました。さらに、脳がてんかんを起こした病態において、海馬におけるpHをリアルタイムでイメージングすることにも初めて成功しました。 本研究成果をまとめた論文は、バイオセンサ分野におけるトップジャーナルである「Biosensors and Bioelectronics」に11月28日付で掲載され、12月21日に本学よりプレスリリースされました。 論文情報: Yuanyuan Guo*, Carl Frederik Werner, Shoma Handa, Mengyun Wang, Tomokazu Ohshiro, Hajime Mushiake, Tatsuo Yoshinobu, (*corresponding author), "Miniature multiplexed label-free pH probe in vivo", Biosensors and Bioelectronics,2020,112870 DOI: 10.1016/j.bios.2020.112870 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0956566320308551 プレスリリース: 東北大学 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2020/12/press20201221-01-ph.html 東北大学大学院医工学研究科 http://www.bme.tohoku.ac.jp/information/pressrelease/ 東北大学大学院医学系研究科・医学部 https://www.med.tohoku.ac.jp/news/4530.html
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会議発表・論文・出版2020.12.17
近年、高速かつ低消費エネルギーな光を用いた情報処理デバイスが注目を集めています。その構成要素として光で読み書き可能な磁気メモリデバイスがあり、光で高効率に微小磁石の極性を制御することがその実現に向けた重要な課題の一つです。 東北大学学際科学フロンティア研究所の飯浜賢志 助教は、東北大学材料科学高等研究所の水上成美 教授らと共同で、円偏光によって強磁性/非磁性界面に誘起されるスピンを発見しました。 本研究グループは、円偏光によって発生するスピンを超短光パルス磁気計測により評価しました。強磁性金属薄膜と非磁性重金属薄膜を積層した構造において円偏光が発生するスピンを評価し、薄膜の厚み依存性ならびに試料構造依存性を調べることによって、界面に光誘起されるスピンが存在することを発見しました。光磁気メモリの開発のための新しい知見を与える成果です。 本研究の内容をまとめた論文が、12月4日に、ドイツの学術誌「Nanophotonics」の電子版に掲載され、12月17日に本学よりプレスリリースされました。 論文情報: Satoshi Iihama, Kazuaki Ishibashi, and Shigemi Mizukami, "Interface-induced field-like optical spin torque in a ferromagnet/heavy metal heterostructure", Nanophotonics, (2020) DOI: 10.1515/nanoph-2020-0571 https://www.degruyter.com/view/journals/nanoph/ahead-of-print/article-10.1515-nanoph-2020-0571/article-10.1515-nanoph-2020-0571.xml?language=en プレスリリース: 東北大学 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2020/12/press20201217-02-spin.html
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会議発表・論文・出版2020.12.15
洪水をはじめとした極端な気象現象による自然災害は、しばしば人を強制的に移動させます。このような人口移動は、人間の安全保障を脅かすため、未然に防ぐための対策が必要です。一方で、極端現象に伴う人口移動は、気候的要因に加え社会・経済的要因など様々な要因が関連する複雑な現象なため、特に全球規模ではそのパターンやメカニズムの解明は進んでいませんでした。 先端学際基幹研究部の柿沼 薫 准教授(上海大学 准教授クロスアポイントメント)は、2008-2013年の洪水による人口移動のデータと、全球河川・氾濫原モデルのシミュレーション結果を組み合わせて、洪水に対する脆弱性が高い地域の特定を試みました。その結果、アフリカの国々では、小・中規模な洪水(洪水曝露人数に基づく)でも比較的多くの人が移動していることがわかり、洪水に対する脆弱性が高い可能性を示しました。さらに、各国の経済状況と洪水による人口移動の関係をみると、経済的に貧しい国では洪水による人口移動が起こりやすいこと、さらに経済が高レベルの国と中・低レベルの国では、人口移動数に大きな差があることがわかりました。これらの結果から、経済レベルが低い特にアフリカの国々では、洪水による人口移動が起こりやすく、対策が急務であることを提案しました。さらに本研究のように、社会科学と自然科学の情報の統合することで、極端な気象現象が社会へ及ぼす影響の評価に大きく貢献することを提示しました。 論文情報: Kakinuma, K., Puma, M. J., Hirabayashi, Y., Tanoue, M., Baptista, E. A., and Kanae, S., "Flood-induced population displacements in the world." Environmental Research Letters 15 (2020). DOI: 10.1088/1748-9326/abc586 https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1748-9326/abc586
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会議発表・論文・出版2020.12.15
太陽から吹き出る太陽風やブラックホールを取り巻く降着円盤はプラズマで出来ています。宇宙に存在するプラズマは高温・希薄であるため、プラズマを構成するイオンと電子の間の衝突がほとんど起こらない無衝突状態にあります。そのためイオンと電子は直接相互作用をせず、異なった温度を取ることが可能です。実際に、これらの天体現象ではイオンの方が電子より遥かに高温になっていることが分かっていました。しかし、なぜイオンが電子より高温になるのか?この疑問の答えは長年の未解決問題でした。 東北大学学際科学フロンティア研究所の川面洋平 助教(大学院理学研究科 兼任)を中心とした国際チームは、国立天文台の「アテルイⅡ」をはじめ複数のスーパーコンピュータ用いて無衝突プラズマ乱流のシミュレーションを行い、イオンと電子がどのように乱流によって加熱されるかを調査し、この問題を解決しました。プラズマの乱流中には縦波的ゆらぎと横波的ゆらぎが存在していますが、これまで行われてきた研究では横波的ゆらぎのみが考えられてきました。本研究では、世界で初めて縦波的ゆらぎを含む無衝突乱流を計算し、イオンが縦波的ゆらぎのエネルギーを選択的に吸収することで電子より高温になることを突き止めました。この結果は、2019年に公開されたイベントホライズン望遠鏡によるブラックホールの影の撮像結果を解析する際にも重要となります。 本研究の成果は、2020年12月11日に発行された米国の科学雑誌「Physical Review X」に論文が掲載され、12月15日に東北大学および国立天文台よりプレスリリースされました。 論文情報: Yohei Kawazura, Alexander A. Schekochihin, Michael Barnes, Jason M. TenBarge, Yuguang Tong, Kristopher G. Klein, and William Dorland, "Ion versus Electron Heating in Compressively Driven Astrophysical Gyrokinetic Turbulence", Physical Review X. DOI: 10.1103/PhysRevx.10.041050 https://journals.aps.org/prx/abstract/10.1103/PhysRevX.10.041050 プレスリリース: 東北大学 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2020/12/press20201215-02-ion.html 東北大学大学院理学研究科 https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20201215-11359.html 国立天文台 https://www.nao.ac.jp/news/science/2020/20201215-cfca.html 国立天文台 天文シミュレーションプロジェクト https://www.cfca.nao.ac.jp/pr/20201215
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研究会等のお知らせ2020.12.14
オンライン開催 東北大学/文部科学省の齋藤彩 氏をお招きして、国家公務員の仕事とその社会の中での役割について講演頂くことで、自分のキャリアについて新しい視点で考えてもらいます。 講演者: 齋藤 彩 氏(東北大学/文部科学省) タイトル:「『霞が関』ってどんなところ?」 日 時:12月22日(火)16:20~17:50 セミナーのURLは後日登録頂いたメールアドレス宛に送信されます。 参加ご希望の方は 参加申し込みフォーム よりご登録ください。 主催:東北大学学際科学フロンティア研究所 お問い合わせ 学際科学フロンティア研究所 助教 田村 @
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研究会等のお知らせ2020.12.10
オンライン開催 FRIS Hub Meetingは、FRISの研究者全員が参加する研究発表セミナーで、月に一度8月を除く毎月第4木曜日に開催しています。これまで参加者はFRIS内の研究者を対象としていましたが、2019年12月より、対象を東北大学の研究者、学生へと広げました。 言語は日本語と英語を混ぜて使用しています。異分野研究者同士では共通の常識や考え方は望めません。聴衆は発表中にどんどん質問し、討論し、理解を深めるようにしています。積極的にご参加ください。 第16回 FRIS Hub Meeting 日時:2020年12月24日(木)11:00-12:00 開催方式:オンライン(Zoom) 事前登録が必要になります。参加申し込みフォームよりご登録ください。 発表者: 金子 沙永 助教(学際科学フロンティア研究所 新領域創成研究部/情報・システム) 発表タイトル: 白か黒か?明度知覚の謎 (Is it black or white?: mystery of lightness perception) 要旨: 白いものが白く見え、黒いものが黒く見えるというのは一見単純かつ当たり前のことに思えるが、そこには実に複雑な計算処理と複数の仮定の設定が求められる難しい問題である。例えば直射日光のもとに置かれた黒い物体と、影に置かれた白い物体を比べたとき、その表面で反射して観察者の目に届く光量は前者の方が強いことが十分にありうる。しかし黒い物体を白と見間違えることは稀である。今回は古くから知られてきた明度知覚の問題と、それに関連した知覚現象を自身の最近の研究を交えて紹介したい。 ◆FRIS Hub Meetingについて
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会議発表・論文・出版2020.12.07
宇宙には数多くの銀河がありますが、それぞれの銀河の中心には太陽質量の100万倍から100億倍にもおよぶ超巨大ブラックホール(supermassive black hole; SMBH)が存在することが知られています。興味深いことに、SMBHの質量とその母銀河の星質量との間には非常に強い相関関係があり、銀河とSMBHの成長にはなにかしらの相互作用が起きていることが示唆されていますが、断定的な観測はまだ得られていません。 この関係を解く一つの鍵となるのが活動銀河核という天体です。活動銀河核ではSMBHのまわりにあるガスが中心に落ちることで、その重力エネルギーを開放し非常に明るく輝くだけでなく、周りにあるガスを吹き飛ばし(アウトフローといいます)母銀河に影響を与える可能性が示唆されています。 新領域創成研究部の市川幸平助教は、Xiaoyang Chen 研究員(現: 国立天文台ALMA観測所 プロジェクト研究員)、大阪大学の野田博文助教(元: 学際科学フロンティア研究所新領域創成研究部助教)らと共同で、AKARI J0916248+073034という活動銀河核に注目しました。この天体は宇宙近傍にある活動銀河核のうち、BH周辺から大量のアウトフローを出していることが我々の過去の研究から明らかになっていました。このアウトフローを出す活動銀河核が現在どの程度の明るさを持っているのかをNASA NuSTAR X線衛星で観測したところ、アウトフローから予測される光度より一桁以上暗いことがわかりました。これは、アウトフローを大量に出したことで中心核周辺のガスが減り、現在は活動がやみつつあることを示唆しており、今まさしく銀河とSMBHの両方が活動をやめつつある状態に移る天体であることがわかりました。 本研究は、北海道大学、東北大学、名古屋大学によるコンソーシアム「次世代研究者育成プログラム」の支援により行われ、その研究成果をまとめた論文が2020年12月4日「The Astrophysical Journal Letters (ApJL)」のオンライン版に掲載されました。 論文情報: Xiaoyang Chen, Kohei Ichikawa, Hirofumi Noda et al., "NuSTAR Non-detection of a Faint Active Galactic Nucleus in an Ultraluminous Infrared Galaxy with Kpc-scale Fast Wind", The Astrophysical Journal Letters DOI: 10.3847/2041-8213/abca30 URL: https://iopscience.iop.org/article/10.3847/2041-8213/abca30