東北大学
学際科学フロンティア研究所

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中嶋 悠一朗 助教(新領域創成研究部)

2017.01.19

中嶋悠一朗 助教(新領域創成研究部)

『International Journal of Molecular Sciences』
に論文掲載

掲載日/2016年12月20日


 

細胞の自殺として知られるアポトーシス(apoptosis)は、ヒトを含む多細胞動物のからだづくりや恒常性の維持に必須の生命現象の一つです。生体にとって不要な細胞や異常な細胞を除去することで、アポトーシスは炎症を防ぎ、組織恒常性を維持する上で重要な働きをします。一方、アポトーシスの仕組みの破綻は、発生異常やがん、自己免疫疾患などの病態につながります。これまで、アポトーシスは細胞自律的な現象として捉えられてきましたが、近年、アポトーシス細胞が、周辺の生存細胞に積極的に影響を与えること、そして周辺細胞からもアポトーシスが細胞非自律的に誘導される、という双方向性の相互作用が示唆されています。新領域創成研究部の中嶋助教は、本学生命科学研究科の倉永英里奈教授、奈良先端大学院大学の川元悠平(博士課程2年)さんらとともに、細胞社会におけるアポトーシス細胞と周辺細胞の相互作用について、最新の研究成果までをまとめた総説論文を発表しました。アポトーシスと貪食、細胞増殖、機械的な力の発生、という視点から分野を捉え直した、興味深い総説に仕上がっています。

本成果はオープンアクセスジャーナルである学術誌 International Journal of Molecular Sciences (5-Year Impact Factor: 3.213)に2016年12月20日付で掲載されました。

論文情報:
Yuhei Kawamoto, Yu-ichiro Nakajima, Erina Kuranaga, "Apoptosis in Cellular Society: Communication between Apoptotic Cells and Their Neighbors", International Journal of Molecular Sciences 2016 Dec 20;17(12). pii: E2144. doi: 10.3390/ijms17122144.

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