東北大学
学際科学フロンティア研究所

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齋藤 大介 助教(新領域創成研究部)

2017.09.25

齋藤 大介 助教(新領域創成研究部)

『Development, Growth & Differentiation』に論文掲載

掲載日/2017年8月16日


体内恒常性の維持に中心的役割を果たす2つの内分泌器官、副腎皮質と生殖腺は多くの共有形質を有することから、これら2つの器官はもととなる共通の細胞から分離して作られるとの説が、発生学分野では長く定説となっていました(教科書にもその旨記載されています)。新領域創成研究部の齋藤大介助教は、本学生命科学研究科および京都大学の研究者と共同で、副腎皮質と生殖腺が非常に早い時期から別々に存在することを証明したとともに、副腎皮質の正確な所在の特定にも初めて成功しました。

本発見は、副腎皮質と生殖腺の成り立ちについて新たな知見を提出するとともに、次なる根源的な疑問、本当に共通細胞は存在するか、共通起源であればいつどのような仕組みにて副腎皮質と生殖腺は分かれるのかに対しアプローチするための重要な基盤となるものです。また、本報告はいままで不明であった副腎皮質の生じる場の特定に成功したので、今後は副腎皮質への特異的操作が可能となり、副腎皮質形成機構の解明に大きく寄与することが期待されます。
本研究成果は、2017年8月16日に Development, Growth & Differentiation 誌電子版に掲載されました。

論文情報:
Daisuke Saito, Koji Tamura, Yoshiko Takahashi, “Early segregation of the adrenal cortex and gonad in chicken embryos”, Development, Growth & Differentiation, Volume 59, Issue 7, 2017, Pages 593–602
DOI: 10.1111/dgd.12389

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