東北大学
学際科学フロンティア研究所

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才田 淳治 教授(先端学際基幹研究部)

2017.07.11

才田 淳治 教授(先端学際基幹研究部)

『Materials Science and Engineering A』に論文掲載


 

学際科学フロンティア研究所 先端学際基幹研究部の才田淳治教授グループの教育研究支援者の郭威博士は、構造緩和させた Cu-Zr-Al 金属ガラスがナノ不均一組織を形成することで大きな塑性変形性を発現することを見いだし、科学誌 Materials Science and Engineering A に発表しました。
金属ガラスはランダム原子配列のため、結晶材料のような転位による変形をしないことから通常広い弾性変形の後に、降伏することなく破断するという特徴があります。また一般に金属ガラスを低温で熱処理することで、微細な構造変化(原子配列の乱雑性のわずかな規則化)が起こり、脆化が促進することが知られています。郭博士は、Cu-Zr-Al 金属ガラスでは、構造緩和においてナノ スケールの不均一性が形成されることを微細組織観察によって明らかにし、このような材料では塑性変形性が低下せずに、むしろ向上することを見いだしました。この成果は金属ガラスにおける新たな構造制御法を提案するものです。

本成果は東北大学学際科学フロンティア研究所 学際研究促進プログラム「ランダム原子配列構造制御の基礎科学と新材料・新機能創成への融合展開」(平成26~28年度)の支援を受けて行った研究の一部です。

掲載論文:
W. Guo, R. Yamada and J. Saida: Mater. Sci. Eng. A : 699 (2017) 81 – 87.
Unusual plasticization for structural relaxed bulk metallic glass.
DOI: 10.1016/j.msea.2017.05.083

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