東北大学
学際科学フロンティア研究所

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才田淳治教授『Journal of Non-Crystalline Solids』誌に論文掲載

『Journal of Non-Crystalline Solids』誌に論文掲載

2018.07.18

学際科学フロンティア研究所 先端学際基幹研究部の才田淳治教授グループの教育研究支援者の郭威博士(現:中国 華中科学技術大学)および新領域創成研究部 山田 類助教らは、ナノスケール不均質構造をもった特異な Cu-Zr-Al 金 属ガラスの熱的構造若返り(緩和状態の制御)現象を調べ、塑性変形性に大きな影響を与えることを見いだし、科学誌Journal of Non-Crystalline Solidsに発表しました。

金属ガラスはランダム原子配列のため、結晶材料のような転位による変形をしないことから通常広い弾性変形の後に、降伏することなく破断するという特徴があります。また一般に、金属ガラスを低温で熱処理することで、微細な構造変化(原子配列の乱雑性のわずかな規則化(構造緩和))が起こり、脆化が促進することが知られています。郭博士は、作製状態でナノスケールの不均質構造を自己生成するCu-Zr-Al 金属 ガラスに注目し、構造緩和させた後、熱的な構造若返り処理によって部分的に未緩和状態に戻せることを明らかにしました。また、このような構造若返りによって塑性変形性が大きく変化することも見いだし、その機構について考察しました。この成果は金属ガラスにおける新たな構造制御法を提案するものです。
 
本成果は東北大学学際科学フロンティア研究所 学際研究促進プログラム「ランダム原子配列構造制御の基礎科学と新材料・新機能創成への融合展開」(平成26~28年度)の支援を受けて行った研究の一部です。
 
掲載論文:
W. Guo, R. Yamada, J. Saida, Shulin Lu, Shusen Wu: Journal of Non-Crystalline Solids : 498 (2018) 8 –13.
Thermal rejuvenation of a heterogeneous metallic glass.
DOI: 10.1016/j.jnoncrysol.2018.05.038
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