東北大学
学際科学フロンティア研究所

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細胞が情報物質を取り込む瞬間の撮影に成功!―生きた細胞の表面を「見る」革新的技術―

5月3日『PLOS Biology』に論文掲載、7月18日報道発表

2018.07.23

プレスリリース
 
新領域創成研究部の鈴木勇輝助教は、京都大学、オリンパス株式会社との共同研究において、細胞が外界の物質を取り込む際の直径数100nmの陥入構造を生きた細胞で可視化し、その分子機構に関して新しい知見を手に入れることに成功しました。細胞膜の陥入(エンドサイトーシス)は、細胞が外界の物質やシグナル分子を取り込む一般的なしくみとして古くから知られていましたが、膜の形態変化を誘導する分子機構に関しては、不明な点が多く残されていました。共同研究グループは、生きた細胞の細胞膜を可視化する特殊な顕微鏡を独自に開発し、今回、エンドサイトーシスに伴う細胞膜の微小構造変化を捉えることに成功しました。そして、その詳細な解析により、細胞内部で膜を支えるタンパク質骨格が重要なはたらきをしていることを証明しました。この技術は、細胞表層で進行する様々な生命現象、例えばウイルス・細菌感染、神経伝達、がん、免疫反応など、の理解・解明に資する大きな技術革新です。
 
本研究成果は、2018年5月3日に国際学術誌「PLOS Biology」にオンライン掲載され、7月18日に京都大学、日本医療研究開発機構、および本学よりプレスリリースされました。
 
論文情報:
A. Yoshida, N. Sakai, Y. Uekusa, Y. Imaoka, Y. Itagaki, Y. Suzuki, S.H. Yoshimura, "Morphological changes of plasma membrane and protein assembly during clathrin-mediated endocytosis", PLOS Biology, May 3, 2018
DOI:org/10.1371/journal.pbio.2004786
http://journals.plos.org/plosbiology/article?id=10.1371/journal.pbio.2004786
 
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