東北大学
学際科学フロンティア研究所

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柿沼薫助教『Nature Sustainability』に論文掲載

2018.10.02

世界では約1億2400万人が深刻な食糧危機に直面しているといわれています。しかしながら、国際的支援は十分とは言えずその解決は難しい状況です。食糧危機は当事国のみの問題ではなく、例えば難民との関連が報告されていることからも、その影響は広域にわたる可能性があります。
新領域創成研究部の柿沼 薫 助教は、米国コロンビア大学Dr. Pumaらと共同で、とくに食糧危機が深刻な国(ナイジェリア、ソマリア、南スーダン、イエメン)において難民が生じた場合に、受入国それぞれが必要となる食糧を推定しました。その結果、難民の受け入れには多くの食糧が必要となり、現在の食糧危機は難民を通じて受入国にも大きく影響する可能性と、国際的支援が早急に必要であることを指摘しました。とくに近年は、食糧貿易を通じて国同士の関係がより複雑になっていることから、貿易を通じたさらなる食糧危機及び難民が生じる可能性についても言及しています。
 
これらの成果は、Nature Sustainability 8月号にコメント論文として掲載されました。
 
論文情報:
Michael J. Puma, So Young Chon, Kaoru Kakinuma, Matti Kummu, Raya Muttarak, Richard Seager & Yoshihide Wada, “A developing food crisis and potential refugee movements”, Nature Sustainability, volume 1, pages380–382, (2018)
 
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