東北大学
学際科学フロンティア研究所

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市川幸平 助教『The Astrophysical Journal』に論文掲載

1月2日『The Astrophysical Journal』に論文掲載

2019.01.09

我々が夜空を見上げた時、空に明るく輝いてある点々が存在し、そのほとんどは星であることを我々は知っています。では、X線で夜空を見てみるとどうなるのでしょうか。X線で最も多く輝いているのはもはや星ではなく、活動銀河核と呼ばれる種族です。これらは銀河の中心核に太陽の100万倍以上の質量を持つ超巨大ブラックホールが鎮座しており、周囲から落ち込むガスを高温に温めることで、X線で明るく輝いています。
 
新領域創成研究部の市川幸平助教は、国際的な研究グループBASS team*と協力して、X線で輝く活動銀河核の周りにあるダストの明るさを赤外線観測から求めることで、活動銀河核の周りがどの程度ダストによって覆われているのかを調査しました。その結果、ダストで覆われている領域は、X線で調査したガスで覆われている領域よりも小さいことがわかってきました。これは、ダストが溶けてしまうような内側の領域にもガスが非常に多く存在することを示唆しており、活動銀河核の周りは潤沢なガスで覆われていることで、ブラックホールの成長が促される贅沢な環境にいることがわかりました。
 
本研究は、北海道大学、東北大学、名古屋大学によるコンソーシアム「次世代研究者育成プログラム」の支援により行われ、その研究成果をまとめた論文が2019年1月2日「The Astrophysical Journal (ApJ)」のオンライン版に掲載されました。
 
 
論文情報:
Kohei Ichikawa, Claudio Ricci, Yoshihiro Ueda, et al., "BAT AGN Spectroscopic Survey - XI. The Covering Factor of Dust and Gas in Swift/BAT Active Galactic Nuclei", The Astrophysical Journal, 870, 31
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