東北大学
学際科学フロンティア研究所

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船本健一 准教授『Integrative Biology』に論文掲載

3月1日『Integrative Biology』に論文掲載

2019.03.04

新領域創成研究部の船本健一准教授は、低酸素負荷時の血管内皮細胞の集団的遊走について、国際学術雑誌Integrative Biologyに論文発表を行いました。
 
血管の内腔を形成する血管内皮細胞の単層は、力学的・化学的な刺激に曝されており、血管内皮細胞はその集団的な挙動を変化させることで恒常性を維持していると考えられます。本研究では、低酸素負荷時の血管内皮細胞の集団的遊走の変化とその機序の解明を目的に、酸素濃度を制御できるマイクロ流体デバイスを用いて血管内皮細胞の観察を行いました。血管内皮細胞の遊走速度は低酸素負荷時に増加しましたが、細胞間接着を担うタンパク質のVE—カドヘリンを増強させることで遊走速度の増加は抑制されました。すなわち、低酸素負荷時には細胞間接着が弱まることにより血管内皮細胞の集団的遊走が増加することが明らかになりました。この成果は、血管内皮細胞の集団的遊走を伴う血管新生や血管機能維持の機構の解明に有益な情報をもたらすものです。
 
本研究は、日本学術振興会 頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム、文部科学省 研究費補助金、学際科学フロンティア研究所 領域創成研究プログラムなどの支援の下、東北大学学際科学フロンティア研究所(船本健一准教授,吉野大輔助教)とマサチューセッツ工科大学との国際共同研究として実施されました。
 
論文情報:
Yugo Tabata, Daisuke Yoshino, Kiyoe Funamoto, Rei Koens, Roger D. Kamm, Kenichi Funamoto, Migration of vascular endothelial cells in monolayers under hypoxic exposure, Integrative Biology, DOI: 10.1093/intbio/zyz002.
(2019年3月1日 Online掲載)
https://academic.oup.com/ib/article/11/1/26/5367910
 
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