東北大学
学際科学フロンティア研究所

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がん抑制因子が上皮組織の細胞分裂方向を制御する仕組みの解明

2019年6月3日『Journal of Cell Biology』に論文掲載およびプレスリリース

2019.06.10

プレスリリース

がん抑制因子が上皮組織の細胞分裂方向を制御する仕組みの解明

ヒトを含む多細胞動物の体の内外は、 上皮組織という上皮細胞のシート構造で覆われています。上皮組織においては、上皮シートと平行に細胞分裂を行うことで、組織構造を維持しますが、その仕組みの破綻は上皮の病態につながることが示唆されています。

新領域創成研究部の中嶋悠一朗助教は、アメリカ・ストワーズ医学研究所のMatthew Gibson博士との共同研究を行い、生体上皮組織における細胞分裂方向を制御する新規メカニズムを解明しました。中嶋助教らは、ショウジョウバエを用いてがん抑制因子ScribとDlgが、分裂期スピンドルのダイナミクスを制御し、14-3-3タンパク質と相互作用することで、細胞分裂方向を決定することを発見しました。
本研究成果は、細胞分裂方向の新たな制御機構を提示するだけでなく、その仕組みの破綻が、がんをはじめとした上皮由来の病態を理解する上でも重要な示唆をすることが期待されます。
 
本研究成果は、2019年6月3日に米国の国際科学誌 「Journal of Cell Biology」に論文が掲載され、6月7日に本学よりプレスリリースされました。
 
論文情報:
題目: Junctional tumor suppressors interact with 14-3-3 proteins to control planar spindle alignment
著者: Yu-ichiro Nakajima, Zachary T. Lee, Sean A. McKinney, Selene K. Swanson, Laurence Florens, Matthew C. Gibson
雑誌: Journal of Cell Biology
DOI: 10.1083/jcb.201803116
http://jcb.rupress.org/content/early/2019/05/13/jcb.201803116
 
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