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大学 保一 助教(新領域創成研究部)
2017.05.26
大学 保一 助教(新領域創成研究部)
『PLOS Genetics』に論文掲載、および報道発表
プレスリリース/2017年5月4日
生体の遺伝情報を記述された、ゲノムDNAは、細胞の増殖の際に正確かつ素早くコピーされる必要があり、あらゆる生物が精巧なDNA複製の仕組みを持ちます。DNA複製の際には、様々な酵素が機能する必要があり、「複製クランプ」は、多くの酵素のDNA上での足場となり、酵素の効率的な働きに必要不可欠なものです。複製クランプは、ドーナッツ状の構造をとり、DNA上を糸に通した輪の様に移動可能でありますが、複製クランプともに、DNAを合成する酵素(DNAポリメラーゼ)がスライドし、スムーズなDNA合成が起きます。
本研究所新領域創成研究部の大学保一助教は、サセックス大学(英国)のAntony Carr教授のグループ、名古屋大学の荻朋男教授、長崎大学の中沢由華助教らと共同で、複製クランプの分子修飾の新たな役割を明らかにしました。本研究は分裂酵母を使用し、小さなタンパク質(ユビキチン)による複製クランプの修飾がDNA複製を滞りなく実施するために重要な現象であることを示し、同時に、その要因となる細胞の仕組みを明らかにしました。複製クランプのユビキチンによる修飾が、クランプ分子自体のDNA上で安定性を高め、それゆえに、複製クランプとDNAポリメラーゼとの結合も強められることを発見しました。これらの仕組みはヒトを含めた動物にも保存されていると考えられ、がん細胞、幹細胞などの活発に増殖するおける細胞でのDNA複製機構を理解、制御する上で重要な知見です。
本研究の成果は、平成29年5月8日(米国時間)付けで、PLOS Genetics誌に掲載されました。
プレスリリース:
東北大学