東北大学
学際科学フロンティア研究所

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水素発生触媒のナノスケールの触媒活性サイトを電気化学的にイメージングすることに成功!

2019年11月28日『Angewandte Chemie International Edition』誌に論文掲載、およびプレスリリース

2019.12.02

新領域創成研究部の井田大貴助教は、金沢大学の髙橋康史准教授、東北大学の末永智一特任教授、Johns Hopkins大学のMingwei Chen教授らとの共同研究において、走査型プローブ顕微鏡の一種である走査型電気化学セル顕微鏡(SECCM)の高解像度化を行い、水素発生反応(HER)の触媒として期待されている遷移金属カルコゲナイドナノシートの触媒活性サイトを電気化学的にイメージングすることに成功しました。
水素ガスの効率的な生成技術は、再生可能エネルギーの観点や燃料電池自動車などの幅広い分野で注目が集まっています。二硫化モリブデン(MoS2)をはじめとする遷移金属カルコゲナイドナノシートは、非常に安価で大量に作製が可能であり、白金(Pt)に代わる水素発生反応の触媒として期待されています。しかしPtに比べ触媒能が低く、触媒能を向上させるための試みが世界で活発に行われています。そのほとんどは、材料全体の水素発生反応の効率から評価されており、電気化学的に活性な部分がどのように分布しているかは明確ではありませんでした。

本共同研究グループは、世界最高レベルの空間分解能を有するSECCMを開発し、 MoS2ナノシート上に存在するHER活性サイトを、電流値のイメージとして可視化することに成功しました。さらに、SECCMによる観察で、局所的に電気化学的に硫黄の欠陥を形成し、触媒活性を亢進させることや、劣化が生じやすいサイトを可視化することに成功しました。
本研究で確立した技術は、効率的な水素発生触媒の開発に活用されることが期待されます。

本研究成果をまとめた論文は2019年11月28日にドイツ化学会誌『Angewandte Chemie International Edition』に掲載され、12月2日に本学のほか、金沢大学、筑波大学、高知工科大学よりプレスリリースされました。
 
論文情報:
Yasufumi Takahashi, Yu Kobayashi, Ziqian Wang, Yoshikazu Ito, Masato Ota, Hiroki Ida, Akichika Kumatani, Keisuke Miyazawa, Takeshi Fujita, Hitoshi Shiku, Yuri E Korchev, Yasumitsu Miyata, Takeshi Fukuma, Mingwei Chen, Tomokazu Matsue, " High Resolution Electrochemical Mapping of Hydrogen Evolution Reaction on Transition Metal Dichalcogenide Nanosheets", Angewandte Chemie International Edition
DOI: 10.1002/anie.201912863
https://doi.org/10.1002/anie.201912863
 
 
 
図1. SECCMによるMoS2ナノシート計測の概要
(a)SECCMを用いたMoS2ナノシートのHER活性サイトのイメージングの原理図。
(b)ナノピペットとサンプルの接触部の拡大図。ナノピペットとサンプルとの間に形成されるナノスケールの電気化学セルを用いて、局所的な電気化学計測を実現した
 
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