東北大学
学際科学フロンティア研究所

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野田 博文 助教(新領域創成研究部)

2017.11.17

野田 博文 助教(新領域創成研究部)

『Nature』に論文掲載

掲載日/2017年11月14日


新領域創成研究部の野田博文助教が所属する研究グループは、X線天文衛星「ひとみ」に搭載された「精密軟X線分光装置(Soft X-ray Spectrometer; SXS)」によるペルセウス座銀河団のX線観測データを、鉄属元素(クロム、マンガン、鉄、ニッケル)からの輝線に着目して解析しました。その結果、SXSが持つ従来の装置より約20倍高い分高性能のおかげで、元素量をこれまでより正確に測定することに成功し、ペルセウス座銀河団中心部の鉄属元素の組成比が太陽のものと同じであることを突き止めました。銀河団は宇宙最大の天体で宇宙誕生から現在までに合成された元素をため込んでおり、宇宙の平均的な化学組成を持つと考えられるため、本結果は、太陽の元素組成が宇宙の平均的な化学組成であったことを示唆しています。さらに鉄属元素の主要な生成源と考えられるIa型超新星爆発の性質にも制限を与えることに成功しました。

本研究成果は、2017日11月14日英国科学誌「ネイチャー」のオンライン版に掲載されました。

論文情報:
Hitomi collaboration, “Solar Abundance Ratios of the Iron-Peak Elements in the Perseus Cluster”, nature (Published online:13 November 2017)doi:10.1038/nature243

プレスリリース:
宇宙航空研究開発機構(JAXA)

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