東北大学
学際科学フロンティア研究所

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「選択と集中」を独立して指令する脳内のメカニズム 経験にもとづいて匂い源を探索する際にはたらく数十個の神経細胞を同定

2021年1月20日『Current Biology』に論文掲載、および1月28日プレスリリース

2021.02.01

 これまでの経験から得た知識にもとづいてより良い意思決定をし、そこにリソースを投入する「選択と集中」は、事業の発展のみならず日常の様々な局面で重要になる行動様式です。一方で誤った選択や過度な集中はリスクが増大するため、効率的な運用には適正な見極め(制御)が欠かせません。
 
 新領域創成研究部の市之瀬敏晴助教(生命科学研究科兼任)と東北大学大学院生命科学研究科の谷本拓教授らのグループは、ショウジョウバエが複数の匂いの中から学習した匂いを選択し、その匂い源を集中して探索することを明らかにし、「選択」と「集中」が脳内で独立して制御されていることを発見しました。昆虫はごく小さな体を巧みに操り目的物に正確に到達する生き物です。本研究により、1ミリにも満たない微小な脳に潜む効率的に生きるための神経回路の仕組みが解明されました。
 
 本研究成果をまとめた論文は2021年1月20日のCurrent Biology誌に掲載され、1月28日に本学よりプレスリリースされました。
 
論文情報:
Toshiharu Ichinose, Mai Kanno, Hongyang Wu, Nobuhiro Yamagata,
Huan Sun, Ayako Abe, Hiromu Tanimoto,
"Mushroom body output differentiates memory processes and distinct
memory-guided behaviors",
Current Biology
DOI: 10.1016/j.cub.2020.12.032
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0960982220318844?via%3Dihub
 
 
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