東北大学
学際科学フロンティア研究所

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小原脩平助教『The Astrophysical Journal』誌に論文掲載

2021年3月10日『The Astrophysical Journal』誌に論文掲載

2021.05.26

中性子星やブラックホールなどが衝突する際に出てくる重力波を、 重力波望遠鏡 "LIGO" および "VIRGO" が2015年に初観測したことは記憶に新しく、現在までに数多くの重力波事象が発見されています。
重力波源からはニュートリノも同時に放出される可能性があり、今回、新領域創成研究部の小原脩平助教らの研究グループは、岐阜県神岡地下1000mにある液体シンチレータ検出器 "KamLAND" で60個の重力波事象に対して反電子ニュートリノの探索を行いました。
 
東京大学のSuper-Kamiokande実験や千葉大学のIceCUBE実験と比べて低いエネルギーのニュートリノ探索に特化している"KamLAND"で、いずれの重力波事象に対してもニュートリノ由来の有意な信号が見つからないことを確認しました。
宇宙を視る眼はこれまでに可視光、 赤外光、紫外光、ガンマ線、X線、電波と様々なものがありましたが、ニュートリノや重力波を用いて眺めることができるようになったのは近年であり、これからは様々な検出器同士が協力しあって相補的に宇宙を観測することができるよう発展していくことが期待されます。
 
本研究成果をまとめた論文は、The Astrophysical Journal誌に3月10日づけで掲載されました。
 
論文情報:
S. Abe, et. al., “Search for Low-energy Electron Antineutrinos in KamLAND Associated with Gravitational Wave Events”, The Astrophysical Journal, Volume 909, Number 2.
DOI: 10.3847/1538-4357/abd5bc
 
報道記事:
日刊工業新聞2021年5月24日「ニュートリノ 重力波に存在せず」
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