東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

学際研究共創プログラム 研究概要(2020年度採択)

学際科学フロンティア研究所

馬渕 拓哉 助教

採択課題名
不良タンパク質の高感度検出手法の確立
実施年度 2020-2021

ペプチド/タンパク質の凝集体の蓄積は、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋委縮性側索硬化症など多くの難治性神経変性疾患に共通する形態的特徴であり発症原因として知られるが、未だ血液・細胞由来成分などの生体夾雑系の高感度な検出法は確立されておらず、今後ブレークスルーとなるin situペプチド/タンパク質の凝集体検出法の確立が待たれている。そこで理論と実験アプローチを融合することにより、アミノ酸残基(システイン、チロシン)特異的修飾技術を活かし、生体夾雑系で血液・細胞由来成分などの生体夾雑系でペプチド/タンパク質の凝集状態を高感度に検出する方法を新たに確立し、生体内不良化タンパク質の蓄積の理解の一端を目指す。

本課題は馬渕(計算科学)による開発分子の絞り込み、佐藤(有機化学)による分子創製、奥村(蛋白質科学)による評価系の確立、を融合することで、理論的設計指針と実験による検証のシームレスな相互理解を図り、シミュレーション技術および実験技術を融合した分野横断的な内容である。「生体夾雑系でタンパク質/ペプチドの凝集過程、凝集状態を検出する」方法の確立は医学・農学・生物学・計算科学・化学・薬学といった基礎研究の発展につながる。本研究は、基礎研究の発展という面だけでなく、凝集性ペプチド/タンパク質が関連する様々な難治性疾患の早期診断戦略を提示することや、これら疾患の根本治療といった創薬への応用をも目指す。

 

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