東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

国際的研究拠点支援プログラム 平成28年度報告

代表者 三木 寛之 准教授

先端学際基幹研究部/デバイス・テクノロジー

研究課題名 「界面制御による固相接合現象の解明と応用技術の検討」

本プログラムは平成25年度学際領域国際共同研究プログラム採択課題「多機能センサ・アクチュエータのための新規機能性材料開発」、平成26年度国際的研究拠点支援プログラム採択課題「動的プロセスによる粉末材料の複合化技術」、同平成27年度「微細構造制御による機能性表面の創製」の成果をもとに、平成28年度に国際交流支援プログラムとして学際科学フロンティア研究所の三木准教授が組織した国際・学際融合的な共同研究グループによって実施されたものである。

本プログラムの実施により、材料の特性に大きく影響を与える結晶粒間の固相接合における界面の状態を制御する手法の開発を目的として、以下の訪問(滞在)を通じた国際交流事業を推進することができた。ここでは、可視化・データ化が難しい強ひずみ加工による粉末の固化過程について、今回新たに考案した局所的に繰返し応力を加える手法により実験的に再現し、金属粉末の固化成形性や材料特性と成形パラメータの関係性を検討した。本所では主に材料作製と微細構造分析を含む材料評価を行い,繰り返し応力実験(国立中央理工科学校リヨン校)と本技術による開発材のアクチュエータへの適用可能性の検討(カールスルーエ工科大学)を海外研究機関との連携により推進した。

前者ではフランス・国立中央理工科学校リヨン校(ECL)と本学工学研究科のダブルディグリー取得プログラムとの連携により、工学研究科D2武田翔君を平成28年4月6日-6月30日, 平成28年11月23-12月20日, 平成29年1月10-3月11日の期間に派遣(留学)し、Julien Fontaine博士、Michel Belin上級研究員とともに共同研究を行った。また、武田君の滞在期間中の平成28年6月3-9日、11月29-12月5日、平成29年1月16-25日に三木准教授が同校を訪問し、共同研究に関する研究打ち合わせを行った。尚、武田君は平成29年度4月から(7月末まで)引き続きECLに長期派遣(留学)することが決定している。

後者については、平成28年9月6‐9日に開催された磁性形状記憶合金に関する国際会議(仙台)において、ドイツ・カールスルーエ工科大学(KIT)Manfred Kohl教授が本プログラムの成果の一部を招待講演で発表した。また、Kohl教授の来仙に合わせて、多元物質研究所大塚准教授と三木准教授との三者間で強磁性形状記憶合金を用いた磁性形状記憶合金を用いた小型アクチュエータの試作に関する研究打ち合わせを行い、今後の新材料開発に関する研究継続について合意した。
今年度の成果発表(但し、4月掲載論文1件を含む)は以下の通りである。

国際会議:5件(招待講演1)
国内学会:7件
論文:2編(doi.org/10.1007/978-3-319-53306-3_11、doi.org/10.2474/trol.12.29)

次年度も引き続きこれらの国際共同研究を実施し、当該研究分野のフロンティアとして研究を牽引してゆきたい。

LTDS(ECL) Visitor’s Office にて(三木准教授)

研究打合せの様子(発表者 D2武田君、右Fontaine博士)

摺動試験の様子(D2武田君)

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