東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

海外研究集会等発表支援 報告

堀田 明良(島津グループ・博士課程後期)

MMM / Intermag Joint Conference
開催地/アメリカ・サンディエゴ

期間/2016.1.11-15

このたび、学際科学フロンティア研究所の海外共同研究および発表支援プログラムに採択を頂き、2016年1月11日~15日に米国のSan Diegoにて開催されたMMM / Intermag Joint conference に参加し、自身の研究成果を発表しました。当該会議は、International Magnetics Conference (Intermag)とMagnetism and Magnetic Materials Conference (MMM)が合同となる、3年毎に開催される会議です。本会議には世界各国から参加者が集まり、基礎から応用までの磁気分野に関して、磁性材料、新規応用、新現象、スピンエレクトロニクス、エネルギーやパワー応用、生体磁気等の様々な内容で計1850件以上の報告がなされました。

私は"Magnetic Recording Media"というセッションにおいて、"Magnetic anisotropy and variant in L10-FePt poly-crystalline films"という題目で発表を行いました。L10-FePtは、大きな一軸磁気異方性Kuをもつ規則合金であり、次世代磁気記録媒体の基本材料の有力候補と目されています。実用化に向けては、L10-構造のc軸が面内に配向したバリアント成分を無くすことが求められます。これまでに、50 at. %Fe以上の高濃度Fe組成の薄膜でバリアントの存在が報告されていましたが、その組成依存性や磁気異方性に対する影響は解明されていませんでした。本研究は、L10-FePt膜の低温形成に有効な超清浄雰囲気中のスパッタ法を用いて種々の組成で形成したL10-FePt多結晶膜について、バリアント成分の組成依存性と、それが磁気異方性に与える影響を検討しました。発表では、バリアント成分がFe組成の増加とともに単調に増加し、バリアントの増加により高次の一軸磁気異方性成分Ku2の増加がみられることを報告しました。

本会議に参加することで、磁気分野の最新の動向を確認することができ、また、磁気記録分野の最先端を担う各国の研究者の方々と交流を深め、意見交換を行うこともできました。このような貴重な機会を与えて頂いた学際科学フロンティア研究所若手研究者国際化支援海外研究集会等発表支援プログラムに感謝を申し上げます。

  • 左:会場となったHILTON SAN DIEGO BAYFRONT。

  • 右:発表の様子。

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