東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

海外研究集会等発表支援 報告

中嶋 悠一朗(新領域創成研究部 助教)

Gordon Research Conference "Cell Polarity Signaling"
開催地/アメリカ・ウエストドーバー

期間/2016.6.11-6.19

今回「若手研究者海外研究集会等発表支援プログラム」によって支援していただき、平成28年6月12日~6月17日にアメリカ合衆国ウエストドーバー(バーモント州)で開催されたGordon Research Conference “Cell Polarity Signaling”に出席し、発表を行いました。本会議は著名なゴードン会議の1つで、細胞極性に関する研究分野のサイエンティストが世界中から集結します。分野の指導的な研究者から若手までが参加し、少人数で5日間を共にすることから、濃密な議論が展開されます。今回は事前審査で採択された約150 名の研究者が参加し、Mount snowのリゾートホテルを舞台に5日間で約50件の講演と100件のポスター発表が行われました。

細胞がもっている極性という性質は、細胞の分裂や成長、組織の形成や維持に不可欠です。一方、様々な疾病においては極性が異常になっていることから、細胞や組織の極性を制御する仕組みの本質的かつ詳細な理解が求められています。私は、からだの表面や臓器を覆う上皮の極性に注目して研究しています。これまでの研究で、上皮組織における細胞分裂の方向が上皮構造の維持と細胞運命の可塑性に寄与することを見出しています。特に、分裂方向の異常に伴う上皮極性の喪失は、腫瘍の形成や悪性化にも影響していることが考えられます。本会議では最近までの成果をまとめてポスター発表しました。関連分野のサイエンティストは論文投稿時にreviewerとなる可能性も高く、彼らに自分の仕事をアピールし、議論する絶好の機会になりました。また多くの未発表の研究成果を聞くことができ、分野の動向を確認し、今後の指針を決める上でも大変有益でした。さらに、これまで論文で目にしただけのサイエンティストたちと知り合うことができ、同じようなポジションやキャリアパスにいる世界中の仲間やライバルの存在を身近に感じて、非常に有意義な時間を過ごすことができました。

への参加をサポートいただいた「若手研究者海外研究集会等発表支援プログラム」に心から感謝いたします。ありがとうございました。

参加者による集合写真

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