東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

海外研究集会等発表支援 報告

岡本泰典(新領域創成研究部 助教)

TMEX-2020: Theory meets experiments: particle astrophysics and cosmology
開催地/クイニョン、ベトナム

期間/2020.1.6-1.11

学際科学フロンティア研究所 令和元年度若手研究者海外研究集会等発表支援プログラムからのご支援をいただき、私は2020年1月5日から1月11日にベトナム、クイニョン市で行われた「Theory meeting experiment: particle astrophysics and cosmology (TMEX-2020)」 に参加しました。この会議は、ベトナムやアジア諸国の科学者と世界最先端の研究を行う科学者との交流を目的とした組織「Rencontres du Vietnam」により企画され、学際的な研究集会を開くための会議場「International Centre for Interdisciplinary Science Education (ICISE)」 で開催されました。この研究会は、宇宙論・素粒子物理学・原子核物理学・天文学の学際分野となる「粒子天体物理学」をテーマにしたものであり、北米・欧州・東アジアを含む多くの国の研究者が参加しました。主に招待講演によるPlenary sessionと少数のParallel Sessionとで構成されています。
 
私は宇宙高エネルギー背景ニュートリノ放射について「Diffuse High-energy Neutrino Flux and Models 」という題目でPlenary sessionで招待口頭講演を行いました。最初に宇宙背景ニュートリノ放射の観測の現状を簡潔に述べた後、「ガンマ線を用いたマルチメッセンジャーによる制限」と「ニュートリノ点源探索による制限」の二つの制限によって多くの天体モデルが棄却されたことを説明し、我々が提唱している「活動銀河核の降着流モデル」ならばそれらの制限を免れて自然に背景ニュートリノ放射を説明できることを示しました。発表後には複数の研究者から質問を受け、特定の条件下では宇宙線生成量に厳しい制限があるなど、新たな考え方を学びました。また、他の招待講演を聞くことで、暗黒物質探索、重力波対応天体、高エネルギーガンマ線など、関連分野の現状を知ることができました。今後の研究の発展へと結びつけたいと思います。会場はリラックスした雰囲気で、休憩中にはビーチを眺めながら、重力波対応天体研究の展望、超新星ニュートリノ研究の展望、暗黒物質探査の現状などを参加者たちと議論しました。
 
本支援プログラムのおかげで貴重な経験を積むことができました。心より感謝申し上げます。
 
学会会場であるホテル
 
ポスター発表会場のバーゼル大学
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