東北大学
学際科学フロンティア研究所

新領域創成研究部

在職期間:2012.11-2016.3

齋藤 望Nozomi Saito

助教先端基礎科学

メンター教員(当時)
教授
山口 雅彦(大学院薬学研究科)
研究分野 有機合成化学
主な研究テーマ
  • 化学合成を基盤とするラセン物質の機能開発と領域融合的展開
所属学会 日本化学会、有機合成化学協会、日本薬学会
研究概要  

DNAや植物の蔓によく知られているように、ラセンは自然界に普遍的に存在し、分子レベルから身の回りのマクロレベルに至る現象において重要な役割を担う物質構造です。このような構造を化学的に合成してラセン物質の機能を開発することは、生命現象の解明、医薬品の創製、機能性物質開発など様々な分野にわたる大きな可能性を秘めていますが、その性質は知られていません。これは、ラセン物質を自在に作り出すことができなかったためです。私は、ラセン分子の化学合成を基盤としてラセン物質の性質と機能について異分野融合的な研究を行っています。

本研究では、ラセン分子である1,12-ジメチルベンゾ[c]フェナントレン(以下ヘリセンと記す)を用います。ヘリセンはベンゼン環が四つ縮環した構造を有し、ラセン不斉を有します。つまり、右巻きまたは左巻きのラセン状にねじれており、これら鏡像異性体は互いに重なり合わない異なる構造です。この分子を用いて、二つの課題に取り組んでいます。(1) ヘリセン小分子のラセン不斉に着目し、多様な機能性ヘリセン誘導体を合成して、生体分子との相互作用や生体内での挙動など自然界の不斉システムにおけるラセン不斉の影響を調べます。(2) ヘリセンを連結したラセン巨大分子を用い、二重ラセン-ランダムコイル間でのバネ伸縮のような分子構造変化を利用して運動機能性物質を開発します。また、この過程で分子レベルの現象をマクロな現象に結び付ける方法を開発します。例えば液晶を使用してオリゴマー分子を規則的、異方的かつ自由度が高い状態で整列させ、集合状態において分子構造変化を起こすことで、筋肉のような異方的で大きい伸縮運動を行います。新しいラセン分子の有機合成化学を基盤としながら分野の枠にとらわれない異分野融合研究に積極的に取り組み、ラセン物質の世界を開拓します。

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