東北大学
学際科学フロンティア研究所

新領域創成研究部

木内 桜Sakura Kiuchi

助教人間・社会

メンター教員
教授
小坂 健(大学院歯学研究科)
研究分野 口腔衛生学、公衆衛生学
主な研究テーマ
  • 口腔と認知機能との関係の解明
  • 口腔の健康の社会的決定要因に関する研究
所属学会 日本公衆衛生学会、日本口腔衛生学会、日本疫学会、The International Association for Dental Research
研究概要  

う蝕などの口腔疾患は多くがフッ化物の使用など適切な処置や食習慣によって予防することが可能ですが、未だに世界的に35億人が有しています。こうした重要なインパクトを持つ口腔状態と全身状態、特に認知機能との関係について、質問紙調査や医療データを用いて研究を行っています。

・口腔と認知機能との関係の解明
認知症は高齢化が進む日本や世界において対応が望まれる喫緊の課題です。口腔状態が認知症発症に影響する可能性がこれまでの研究から示唆されていますが、その全般的なメカニズムの解明には至っていません。先行研究では歯周病による炎症の影響、咬合力の低下に伴う脳への刺激の減少、口腔状態悪化による栄養状態の低下といった生物学的なメカニズムが明らかになってきています。一方で、口腔の社会的な役割も注目されており、口腔状態が悪くなることで、話しにくい、笑いにくい、他の人と同じものを食べにくいといった理由から社会活動が低下し、認知機能が低下するといった経路も考えられます。

そこで、私はこれまで解析を行ってきた高齢者を対象とした大規模な質問紙調査や、若年者を含む様々な世代の調査から、従来の統計解析手法に加え、近年その応用が期待される因果推論手法や機械学習を用いて、どのような口腔内の状況の人において認知機能が起きやすいか、そのメカニズムを明らかにしていきたいと考えています。この研究を通じ、認知症予防・進行の抑制、医療・介護費負担の削減といった日本の課題解決を目標として、口腔状態と認知機能の関係のメカニズムの解明、認知症の予測モデル構築に挑戦していきます。

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