東北大学
学際科学フロンティア研究所

過去の在籍教員

在職期間:2012.11-2016.12

藤村 維子Yuiko Fujimura

助教(兼URA)生命・環境

メンター教員(当時)
准教授
井川 俊太郎(加齢医学研究所)
研究分野 細胞生物学、分子生物学、発生生物学、生化学
主な研究テーマ
  • 発達過程の生殖細胞におけるp51/p63の機能と制御機構
所属学会 日本分子生物学会, 日本細胞生物学会, 日本生化学会
研究概要  

哺乳動物の胚発生過程で形成される生殖細胞は、周囲の体細胞とは異なり、生殖細胞としての運命決定に依存してDNA損傷性ストレスに対する高感受性を示します。体細胞においては問題とならないような、一部のゲノム安定性維持に関わる遺伝子の変異に対しても、胚発生の過程で生殖細胞だけが細胞死を起こし、不妊となる現象が知られています。これらから、胚発生過程の生殖細胞は独自のゲノム安定性維持メカニズムを持つことが考えられます。  多細胞生物を構成する細胞の中で、唯一生殖細胞のみが、配偶子へ分化し受精により全能性を獲得し次世代へ受け継がれる永続性を持っています。その役割を考えますと、盛んに増殖を繰り返す胚発生過程において、生殖細胞の安定性を保つメカニズムは重要ですが、詳細はよく分かっていません。

本研究では放射線などの物理的あるいは化学的ストレスに対する細胞応答の詳細を調べることで、運命決定直後の未分化な生殖細胞における自律的細胞死ならびにゲノム安定性維持の詳細を明らかにしたいと考えています。本研究により胚発生過程の生殖細胞の生死を振り分ける仕組みへの理解が深まれば、原因不明の細胞死により胚発生過程に生殖細胞が欠失するような不妊や、未分化な生殖細胞を起源とする腫瘍形成の原因、胚発生過程の生殖細胞の取捨選択のメカニズム等を解明する上で有用な知見を得ることが期待されます。さらに、胚発生過程で放射線などのDNA損傷性ストレスを受けた個体の生殖細胞、つまり孫世代以降に現れるストレスの影響について、科学的知識の集積と可能な対策の提言に寄与することを目指しています。

同時に、学際科学フロンティア研究所リサーチアドミニストレータ(URA)として、異分野のコラボレーション活動を通じた若手研究者の活動ならびに学際研究支援をテーマに研究を進めています。

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