東北大学
学際科学フロンティア研究所

過去の在籍教員

在職期間:20145.4-2019.3

船本 健一kenichi Funamoto

准教授デバイス・テクノロジー

研究分野 流体工学、生体工学
主な研究テーマ
  • 生体内微小環境を再現するマイクロ流体デバイスの開発
  • 細胞群の低酸素応答の解明
  • 計測と計算を融合した血流解析
所属学会 日本機械学会、日本超音波医学会、計測自動制御学会
研究概要  

近年、医学と工学の連携により、様々な疾患に対して画期的な診断・治療技術が生み出されています。しかし、疾患へと移行する遷移状態における生体内現象の機序については未解明のことが多く残されています。この課題解決のためには、多因子により決定される生体内現象を独立の因子に切り分けて解析し、得られる大規模データを解析して現象をモデル化し、各因子を生体構造として再構築しながら考察するプロセスが重要です。当研究グループは、医工連携をベースに、情報科学を代表とする先端の学問領域や基盤となる学問とのさらなる異分野融合により新たな学際領域「Biomechano-informatics」を創成し、健康・福祉の向上に貢献することを目指しています。具体的には、細胞周囲の酸素濃度と、細胞に作用する力学的および化学的な刺激を厳密に制御して生体内微小環境を再現するマイクロ流体デバイスの開発と、そのデバイスを用いた細胞群の挙動の解析と制御に取り組んでいます。例えば、がん組織内では過剰な細胞の増殖と未熟な血管網の形成により、酸素濃度の不均一性(空間変化)と虚血再還流による低酸素負荷と再酸素化(時間変化)が発生し、がんの成長と転移を促進するといわれています。細胞レベルでその機序を解明するため、マイクロ流体デバイスを用いてがん微小環境を再現し、がん細胞や血管内皮細胞などの個々の細胞の挙動とそれら細胞群の相互作用に対し、酸素濃度の時空間変化が与える影響について調べています。一連の研究は、マサチューセッツ工科大学やシンガポール国立大学、学内(医学系研究科、流体科学研究所、情報科学研究科)の研究者と連携して実施しています。

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