東北大学
学際科学フロンティア研究所

過去の在籍教員

在職期間:2014.12-2018.12

鬼沢 直哉Naoya Onizawa

助教情報・システム

メンター教員(当時)
教授
羽生 貴弘(電気通信研究所)
研究分野 集積回路工学,コンピュータハードウェア,ディペンダブルシステム
主な研究テーマ
  • 確率的情報処理に基づく高速・低電力ネットワークVLSIの実現に関する研究
  • 非同期式回路に基づく高信頼VLSIの実現
  • 低電力連想メモリの実現
所属学会 電子情報通信学会、IEEE
研究概要  

近年、インターネットに接続する機器の増加に伴い、ネットワークトラフィック量が急速に増加し、今後さらにその傾向が加速されると予測されています。その主な要因として挙げられるのが、近い将来、あらゆるモノがセンサ、アクチュエータ、通信装置等を備えたスマートな機器となるInternet of Thingsです。このようなネットワーク社会においては、 様々な通信機器における低電力化およびセキュリティーの高い通信の実現が極めて重要になりつつあります。

その中で、ネットワーク機器間のデータ通信の中継器となるInternet Protocol(IP)ルータは、データの宛先に応じて適切な経路を選択する機能を持ち、そのハードウェア実現にはTernary Content-Addressable Memory (TCAM)が一般的に用いられています。TCAMは入力データと記憶データとの完全並列検索を実現する高速なハードウェアである一方、入力データとすべての記憶データとの総当り検索を行うため、それらを接続するサーチラインに起因する消費電力は膨大なものなってしまいます。

TCAMに代わる根本的に新しいアプローチとして、確率的データ構造を持つSparse clustered networks(SCN)に基づく検索アルゴリズムを提案しています。SCNはTCAMのようにデータ自体を格納して比較演算を行うのではなく、データ間のリンク(関連性)を格納し、るリンク情報に基づき検索結果を予測することで経路選択を行います。 TCAMのような非常に長いサーチラインを用いた総当り検索が必要ではなくなることから大幅な電力削減が期待できます。本研究を通じてIPルータ用LSIの実現を図るだけでなく、様々なデータベース用処理LSIや車載用・医療用等、信頼性が必要とされる他分野への展開も目指しています。

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