学際科学フロンティア研究所活動報告書_令和3年度
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―5―平成25年4月の学際研の発足以降の主な活動を以下に記す。先端的学際研究の推進では、幅広い研究領域の専任教員を配置するため、学際研発足時には、工学研究科および附置研究所出身の教授4名、准教授4名の体制でスタートした。その後、教員の転出に伴い、学際研の任期付き助教から2名の准教授を採用し、現在は教授4名、准教授3名が先端学際基幹研究部と企画部に所属している。主な研究テーマとして、機能物性をインテグレートした新しいインテリジェント材料、超高真空技術を用いた機能性薄膜の形成とウエハ室温接合技術、透過電子顕微鏡・ナノ電子プローブを用いたナノスケール局所構造物性、金属ガラスにおけるランダム原子配列構造の制御と新機能創出、環境負荷を低減する新規電極材料、細胞の形づくり、ブラックホールが引き起こす極限的現象等に関する学際研究を推進している。学内学際研究の支援では、平成25年以降100件を超える学内複数部局にまたがる公募共同研究プロジェクトの支援を行い、「世界発信する国際日本学・日本語研究拠点形成」、「地球環境変動下における自然共生社会の構築に関する拠点形成」、「ヨッタスケールデータの研究プラットフォームの構築」、「原子内包フラーレンナノバイオトロニクスの創成」、「原子層超薄膜における革新的電子機能物性の創発」をはじめ、多くのプロジェクトで優れた成果が得られている。若手研究者の育成では、全研究領域において異分野融合による国際的学際科学研究を主体的に推進し、新しい学問分野を開拓する意欲があり、国内外の研究者・研究機関との積極的な共同研究を推進できる研究者を毎年国際公募で採用しており、平成25年以降103名の任期付き助教と3名の任期付き准教授を採用した(令和3年7月現在)。平成30年9月には、「学際科学フロンティア研究所を活用した優秀な若手研究者育成システムの構築」の全学的な若手研究者育成の方針により、学際研と部局との連携による学際研任期満了後の部局採用の推進や、学際研における最長7年間の雇用による安定した研究環境の提供などが推進された。令和3年度から学際研テニュアトラック制度が開始され、任期付き助教全員を対象としてテニュア審査と任期付き准教授審査が行われている。若手研究者の日常的な異分野交流を推進するため、平成31年1月より毎月の異分野研究者を対象とした研究セミナー「Hub Meeting」や、平成29年度より年1回の合宿「Retreat」を行っている。令和3年度には、様々な分野の実験設備や交流スペースからなる協働的研究環境(Cooperative Research Environment)「FRIS CoRE」を整備した。他機関との連携では、文部科学省の科学技術人材育成のコンソーシアムの構築事業として、北海道大学、東北大学、名古屋大学のコンソーシアムによる「次世代研究者育成プログラム」が平成26年度から平成30年度まで実施され、学際研から18名の育成対象者が参加した。また、令和2年度から令和11年度まで文部科学省の世界で活躍できる研究者戦略育成事業として、学際研が担当部局となり、東北地域の7大学と株式会社三菱総合研究所によるコンソーシアム事業「学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ(TI - FRIS)」が実施され、令和3年度の時点で学際研から8名の育成対象者が参加している。これまでの学際研の若手研究者の研究成果として、文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞9件、戦略的創造研究推進事業(さきがけ)採択8件、創発的研究支援事業採択7件などがある(令和3年度時点)。また研究主宰者(PI)として独立研究環境で研究教育を行う助教であることを東北大学として認定するプロミネントリサーチフェローに学際研の多くの助教が認定されている(令和3年度末現在45名)。2.3 学際研の活動

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