―5―究者育成システムの構築」の全学的な若手研究者育成の方針により、学際研と部局との連携による学際研任期満了後の部局採用の推進や、学際研における最長7年間の雇用による安定した研究環境の提供などが推進された。2021年度から学際研テニュアトラック制度が開始され、任期付き助教全員を対象としてテニュア審査と任期付き准教授昇任審査が行われている。若手研究者の日常的な異分野交流を推進するため、2019年1月より毎月の異分野研究者を対象とした研究セミナー「Hub Meeting」や、2017年度より年1回の合宿「Retreat」を行っている。2021年度には、様々な分野の実験設備や交流スペースからなる協働的研究環境(Cooperative Research Environment)「FRIS CoRE」を整備した。学際研教員が、研究に興味のある本学の学部学生を学業に支障のない範囲でアドミニストレーティブ・アシスタント(AA)として雇用して、教員の研究の進展を図るとともに、学生の多様な研究経験と経済支援に資することを目的として、学部学生研究ワーク体験(FRIS URO)を2022年度より開始した。また、研究所のバイリンガル化の一環として、教員会議等における日英同時翻訳サービスを2023年度から開始した。他機関との連携では、文部科学省の科学技術人材育成のコンソーシアムの構築事業として、北海道大学、東北大学、名古屋大学のコンソーシアムによる「次世代研究者育成プログラム」が2014年度から2018年度まで実施され、学際研から18名の育成対象者が参加した。また、2022年度から2029年度まで文部科学省の世界で活躍できる研究者戦略育成事業として、学際研が担当部局となり、東北地域の7大学と株式会社三菱総合研究所によるコンソーシアム事業「学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ(TI-FRIS)」が実施され、2023年度の時点で全育成対象者23名のうち、学際研から10名が参加している。これまでの学際研の若手研究者の研究成果として、文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞15件、戦略的創造研究推進事業(さきがけ)採択11件、創発的研究支援事業採択8件などがある(2024年3月末時点。申請時、受賞時、または研究実施期間における在籍者(兼務教員含む)についての件数)。また研究主宰者(PI)として独立研究環境で研究教育を行う助教であることを東北大学として認定するプロミネントリサーチフェローに学際研の多くの助教が認定されている(2024年3月末時点、通算60名)。
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