東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

学際研究共創プログラム 研究概要(2021年度採択)

学際科学フロンティア研究所

岡本 泰典 助教

採択課題名
バイオナノファクトリーのための大腸菌外膜エンジニアリングの基盤形成
実施年度 2021-2022

適切なタイミングで患部のみに薬を届けることできれば、服用する薬の量や回数を減らすことができるため、がん治療をはじめとする最先端治療に大きく貢献することが期待されます。このような体内における薬剤分布の時空間制御を目的として、薬剤と運搬体を複合化させた薬物輸送システム (Drug Delivery System) の研究が基礎から臨床まで包括的に進められています。例えば、特定の細胞や組織を認識する抗体に薬剤を複合化したAntibody-Drug Conjugateが代表例として挙げられます。これに対して、「薬剤の送達」という従来のDrug Delivery Systemを発展させた「疾患部位で薬剤を作り出すナノファクトリーの送達」の研究も精力的に進められています。ナノファクトリーは、リポソームやポリマーソームなどの中空状微粒子内部に化学変換モジュールを内包することで構築されます。しかし、化学変換モジュールの内包効率、中空状微粒子の毒性などに課題が残ります。そこで、我々は毒性が低いと考えられる生体由来の中空状微粒子をナノファクトリーのプラットフォームとして注目しています。本研究では生体内での「その場治療」を実現するナノファクトリーの創出をめざし、その技術基盤を確立します。


 
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