東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

学際研究共創プログラム 研究概要(2023年度採択)

学際科学フロンティア研究所

唐 超 助教

採択課題名
フェムト秒超短レーザーパルスによる二次元材料の磁化特性操作への挑戦
実施年度 2023-2024

近年の超スマート社会の急速な発展に伴い、スピントロニクスを原理とした磁気メモリを筆頭に高性能次世代デバイス実現の期待が高まっている。その開発にはスピン材料の超高速磁化応答特性が必要とされている。しかし、一般的に知られている電場と磁場による磁化操作においては、印加するエネルギーにより磁化速度が律速される。

本研究では、ポンプ・プローブ(PP)手法から着想を得て、プラズモニック素子を用いてポンプ光フェムト秒レーザーを電磁パルスに変換し、目標材料の磁化特性を操作する手法を採用する。超高速な磁化特性の変化を観測すべく、時間遅延をかけたプローブ光を導入する。本研究の目標は伝統的なバルク磁性材料と異なる新奇二次元材料を用いた特異な高速磁化応答の観測である。

二次元システムにおいて最先端の Kosterlitz–Thouless相変態や Mermin-Wagner理論の実証と学理究明も同時に期待される。本研究では、ストリップライン導波路(SLW)及びフォトスイッチ(PS)を作製し、その中心部に磁性二次元材料を転写することでデバイスを作製する。フェムト秒ポンプ光パルスをPSに照射することにより、超短電磁場パルスの表面プラズモンポラリトン(SPP)を励起する。SPPが導波路に沿って磁性二次元材料へ伝搬し、材料中の電子スピンを超高速に駆動させ、同時に同一光源から照射されるフェムト秒プローブ光を用いてその動的磁化応答を観測する。本研究の成果により、二次元材料磁化反転特性の新学理を創出することだけでなく、将来の新原理メモリデバイスを開発することも可能となる。

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