東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

学際研究共創プログラム 研究概要(2023年度採択)

学際科学フロンティア研究所

齋藤 勇士 助教

採択課題名
持続的な宇宙開発に向けたバイオマス燃焼推進装置の開発
実施年度 2023-2024

本研究では、バイオマスを用いた宇宙推進装置(ロケット)の開発を行う。我が国の基幹ロケットであるH2Aロケットを初め、世界中の宇宙推進機では生成に莫大な電力が必要となる水素を用いた燃焼が用いられてきた。本学際研究では、持続的な宇宙開発実現のために、酸素生成可能な光合成のできるバイオマスを燃料にできることに着目し、世界初のバイオマス燃料を用いた推進装置の開発を目指す。

バイオマスを燃料とした推進装置研究は今まで詳細に行われてきておらず、どのような燃焼特性になるのか明らかになっていない。特に、燃焼に悪影響を及ぼすと考えられる水分、リグニン量が推進性能にどのような影響を及ぼすのかは推進燃焼分野においても興味深い。また、バイオマスは、その育成環境によって細胞レベルで大きくバラつきがあることから、推進性能特性に大きくバラつきがある。現在は、木材の建築材利用を主眼として、AIを用いた機械特性取得研究が行われており、それを推進装置予測モデルに組み込むことが期待できる。そして、本研究を通じてバイオマス推進装置を開発し、往還ミッションまたは軌道変換ミッションを提案する。

本研究では次の3つの問いを設定する:

(問い①)バイオマス燃料/バイオ炭を用いた推進装置の燃焼特性とは何か?
(問い②)AIによってバラつきあるバイオマス燃料のロケット性能を予測できるか?
(問い③)バイオマス推進装置でどのような宇宙ミッションを提案できるか?

本研究では、宇宙推進(担当:齋藤)/バイオマスの保続利用(担当:中安)/生物繊維学(担当:小林)の学際研究によって上記問い①②③を解決する。

 
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