東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

学際研究共創プログラム 研究概要(2024年度採択)

学際科学フロンティア研究所

石井 琢郎 助教

採択課題名
齧歯動物モデルを使った全身流体情報と生理反応の網羅的記録法の開発
実施年度 2024-2025

生体において、脳と末梢臓器間の連絡が阻害されることが疾患の引き金や憎悪要因になる。この臓器間の信号伝播を網羅的に記録することは技術的に困難であり、これまでの研究は特定臓器の病理・生理メカニズムに焦点を当てて進められてきた。本研究では、非侵襲かつ高時間分解能で組織の構造・血行を可視化する超音波イメージングと電気生理記録を組み合わせ、臓器構造と機能情報を一括して取得する系の確立を目指す。

本研究では特に以下の2点に取り組む。

  1. 超音波による臓器網羅的な構造と血流のイメージング 齧歯動物の脳および末梢臓器の3次元構造および血流を同時計測する超音波撮像法と信号解析手法を構築する。特に周波数や形状の異なる3つの超音波プローブからの超音波信号を統合的に解析することにより,脳および腹部臓器の3次血流動態を包括的に同時イメージングする計測系を構築する。
  2. 超音波構造血流イメージングと電気生理の網羅的記録 前項のイメージングシステムに対して電気生理学的計測用の電極配置を最適化し、臓器の超音波イメージングと電気生理計測を同時に行う。局所炎症モデル動物の撮像によって、臓器の血流や生体信号がどのようなタイムスケールで変化するかを調べ、炎症程度やシグナル伝搬の予測モデル構築に取り組む。

本研究は、超音波信号処理およびシステム構築を担当する石井(学際研・医工学)と電気生理記録と炎症程度の予測モデル構築を担当する五十嵐助教(薬学研究科)が互いの技術と知見を融合させ、全身性変化を構造と機能の両面から捉える基盤的技術を構築していく。

 
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