公募研究
学際研究共創プログラム(アルムナイとの共同研究)研究概要(2025年度採択)
学際科学フロンティア研究所
當真 賢二 教授
採択課題名 |
人文社会学を含む学際知の可視化―学術誌創刊による実証研究
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実施年度 | 2025-2026 |
政府が提言するSociety 5.0は、持続可能性の確保のほか、経済的かつ質的な豊かさの実現を目指している。そのためには、科学による技術革新だけでなく、人文社会学と科学技術の一体的な振興が必要であるとしている(第6期科学技術・イノベーション基本計画 2021)。しかし学術界での研究業績評価は論文数や被引用数に依存しがちで、政策提言・国際ルール策定・地域協働などの多様な成果を生む人文社会学を過少評価しているとの指摘がある。 この可視化不足を解消する効果的な手段の一つとして、査読付きオープンアクセス(OA)学術誌の創刊を目指す。実際、OA論文は非OA論文より平均18%多く引用され、人文社会学でも二桁の引用増が確認されている。創刊学術誌の理念は、日本のさまざまな社会問題の解決を軸に据えることができる。少子高齢化や災害レジリエンス、メンタルヘルスなどの社会問題が日本では顕在化しており、他国がその後を追うという予想がある。自然科学系と人文社会学系の研究者が協働して学術誌上で議論することは普遍的な価値を持ち、国際的に注目されうる。 本研究の目的は、人文社会学を含む学際研究を促進し、その成果を可視化するために、査読付きOA学術誌を創刊することである。(1)日本発・社会課題研究の国際発信基盤の確立、(2)FRISにおける学際研究と社会インパクトの可視化、(3)アルムナイを核としたネットワークの形成の3点をもって本研究の意義とし、学際知の創出と技術革新に限らない社会実装を両立させるプラットフォームを構築する。一連のプロセスを効果測定も含めた実証研究としてまとめることも目指す。 |