東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

領域創成研究プログラム 研究概要(2015年度採択)

工学研究科

井口 史匡 准教授

採択課題名 機能性酸化物におけるメカノエレクトロケミストリーの探求
実施年度 2015-2016

二次電池、燃料電池、電解装置など各種エネルギーデバイスに用いられる機能性酸化物は、化学組成、雰囲気、温度などにより結晶構造、欠陥構造が変化し、電気化学的性質が大きく変化し、それを利用した材料開発が盛んに行われてきている。近年、外力付加により材料のひずみが、結晶構造,欠陥構造の変化を誘引し、電気化学的特性を変化させている可能性が提唱され、それを利用した新たな学問領域が "メカノエレクトロケミストリー" として注目を集めている。しかし、外力付加状態においてこれらの相関関係を体系的に評価することは難しく知見の集積は進んでいないのが現状である。

申請者らは機能性酸化物の焼成が、実際の使用温度より大幅に高い温度で行われている点に着目し、機能性酸化物を異なる機械的特性を持つ酸化物と複合化させることで熱応力に起因する残留応力を安定的に導入可能であり、さらに複合化させる酸化物の熱膨張係数を選択することで,応力の制御が可能であることを明らかにしている。本申請においては、この複合体を用い、図に示すように機能性酸化物に圧縮性から伸張性までの大きな応力を印加し、その影響を電気化学的測定、各種分光法と組み合わせることでメカノエレクトロケミストリーに関する体系的な知見を得ることを目的としている。

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