東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

領域創成研究プログラム 研究概要(2015年度採択)

薬学研究科

平松 弘嗣 助教

採択課題名 光応答性タンパク質の開発と新規薬物送達システム基盤技術の創成
実施年度 2015-2016

本研究では新規薬物送達システム(Drug Delivery System, DDS)基盤技術を開発する。『短寿命(秒〜分)の高い薬効を持つ物質』を『作用部位選択的に』投与することは、薬剤の副作用を低減する意味で重要である。作用部位選択的な投薬が近年実現しつつある。一方『短寿命薬剤』を生体内部に投与することは、今日なお容易ではない。我々はこの点を念頭においた研究として、新規DDS基盤技術としてリポソーム集合状態の光制御法を開発する。作用部位近傍でリポソーム集合状態を変化させて薬剤を混合することで、短寿命薬剤を効率的に生成し作用させることが可能になると期待される。集合状態の光制御を目的として、本課題では光応答性を持つ糖結合タンパク質(レクチン)を開発する。また、リポソームに対して無機材料を利用した機能性付与を行う。従来「単一リポソームの高機能化」はDDS技術の発展に活用されてきたが、リポソーム集合構造を積極的に利用する点および無機材料を利用してリポソームを機能強化する点で新規性が高い。近年発展の著しい極短パルス光技術を利用して、集合構造制御の精密化を行いうる可能性がある点においても、将来の発展が期待される。

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