東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

国際共同研究支援プログラム 報告

上野 裕(新領域創成研究部 助教)

派遣先/ Harvard University, US.

期間/ 2023.7.29-8.15

若手研究者国際共同支援プログラムのご支援をいただき、2023年7月29日から8月15日までアメリカのハーヴァード大学のAlfonso Caramazza教授の研究室を訪問しました。現地の研究者と活発な議論を行い、語彙的意味情報の神経表象を解明する共同研究を行いました。この研究は、人間の脳内に貯蔵している語彙的意味情報はどのように表象されているのか、それは語彙的文法情報に依存しているのかを解明することを目的としています。長年議論されてきた動詞と名詞の神経表象を、より厳密な実験デザインと機械学習を用いた解析を通して検討することによって、言語機能に関わる脳の働きの解明に新たな知見を与えることが期待されます。滞在中は、現地の共同研究者とともに実験を行い、英語母語話者5人の脳画像データを取得しました(図1)。25人程度の実験参加者を募集する予定ですが、現地の研究者にお願いして、私が帰日した後も、データを集めていただいています。データ収集・解析後は、来年度に開催されるCognitive Neuroscience Societyといった国際学会で発表し、原稿執筆に進める予定です。普段は大学院生と研究部屋をシェアして、研究スペースをいただきました(図2)。訪問時は夏休み期間中でしたので、人が少なかったのですが、Caramazza教授と同研究室の院生と交流でき、データ解析についてご指導いただき、また本研究のさらなる発展について新たな知見をいただきました。
 
本支援のおかげで今回は現地の研究者と一緒に実験を行い、データ解析および研究の方向性を議論することができました。新しい共同研究の契機も得られました。心より感謝申し上げます。
 

図1 fMRI実験準備中に撮った写真です。実験のときに、参加者にMRIに入ってもらい、課題遂行中の脳画像を記録しました。
 

図2 もう一人の院生と部屋をシェアして研究スペースをいただきました。実験がないときは、ここでデータを解析、原稿を執筆しました。
PAGE TOP