東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

海外研究集会等発表支援 報告

泉 正範(新領域創成研究部 助教)

Gordon Research Conference "Cell Polarity Signaling"
開催地/アメリカ・ウエストドーバー

期間/2016.6.18-6.26

学際科学フロンティア研究所の若手研究者海外研究集会等発表支援プログラムに採択して頂き、6月18日~6月26日に米国バーモント州West doverで開催されたGordon Research Conference "Mitochondria & Chloroplasts"に出席し、口頭発表及びポスター発表を行いました。本会議は、国際的に歴史と権威のある研究集会の一つであるゴードン会議の一部門で、細胞内でエネルギー生産を担う細胞内小器官(オルガネラ)である「ミトコンドリア」と「葉緑体」を研究対象とする世界のエキスパートが集うものです。2年に一度開催され、比較的小規模な参加者(今回は172名)が、同じホテルに5日間滞在し、まだ論文等では発表されていない研究成果の紹介とそれに関する質疑、議論を行います。

本研究集会の興味深い点は、「ミトコンドリア」と「葉緑体」というオルガネラを対象としているため、様々な生物種を対象とする研究者が一堂に会する点です。例えば、私自身は植物における葉緑体のターンオーバー機構を専門としていますが、今回の発表では、哺乳類細胞や酵母でミトコンドリアの分解や品質管理を専門とする研究者から多くの質問を受けることができました。また葉緑体に由来するオルガネラはマラリア原虫の体内にも存在することが知られており(アピコプラストと呼ばれる)、その専門家達のセッションもありました。このような普段は交流することが少ない外国の研究者との議論が行える点も、本研究集会の魅力です。その中で自身が発表した「葉緑体のオートファジー」の新たな経路の紹介(Autophagy for the elimination of photodamaged chloroplasts; https://www.grc.org/programs.aspx?id=11289)は、次々と新しい発見がなされ注目を集める研究領域の一つであることもあり、開催期間を通じて多くの質問を受け、有意義な議論を行うことができました。このような極めて貴重な時間を過ごす機会を与えてくださった本支援プログラムに、心より感謝致します。

口頭発表開始時の様子

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