東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

海外研究集会等発表支援 報告

児島 征司(新領域創成研究部 助教)

Gordon Research Conference “Bacterial Cell Surfaces”
開催地/アメリカ・ウエストドーバー

期間/2016.6.25-7.3

学際科学フロンティア研究所の若手研究者海外研究集会等発表支援プログラムに採択して頂き、6月26日~7月1日に米国バーモント州West doverで開催されたGordon Research Conference "Bacterial Cell Surfaces"に出席し、ポスター発表を行いました。本会議はゴードン会議を構成する部門の一つで、2年に一度開催され、細菌の細胞表層に関する研究を専門とする研究者が集います。参加・発表には事前審査があり、今回は採択された約 200 名の研究者が参加しました。非常に密度の高い会議で、Mount snowというスキー場(夏なので雪はありませんが)のホテルに缶詰めで5日間かけて50件の招待講演と138件のポスター発表が行われました。

細菌の細胞表層は外環境と細胞内を隔てる境界として、様々な物質の流入出を制御したり、細胞形態の維持に必要な物理的強度を与えるなどして、細胞の生存・生育に必須の役割を果たします。そのため、様々な文脈からの研究の対象となっています。例えば、病原性細菌の感染時における細胞表層の役割に関する研究といった医学的視点からの研究や、細胞表層の構築原理や細胞形態形成との関連を調べるといった、より基礎研究的な視点に基づく研究など、様々な研究が盛んに行われています。私自身は、藍色細菌が細胞小器官である葉緑体へと変化する過程でどのような細胞表層の機能・構造的変化があったのかを調べる研究を行っています。今回の会議では私が発見した、原始的葉緑体の細胞壁を覆う新規蛋白質に関する発表を行いました。細胞表層の専門家が集う会議だけあって、それぞれの視点を基にした良い質問をいくつも受け、今後の研究の進展に大いに参考になりました。また、本会議には当分野を代表するような研究室からの参加者も多数あり、最先端の実験手法を学んだり、論文でよく名前を目にする研究者と初めて話したりと、大変良い機会に恵まれました。

本会議への出席を支援して下さったことに心より感謝申し上げます。

正面から見た会場のホテル

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