東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

海外研究集会等発表支援 報告

井上 壮志(新領域創成研究部 助教)

the 26th International Nuclear Physics Conference (INPC2016)
開催地/オーストラリア・アデレード

期間/2016.9.10-9.18

この度、学際科学フロンティア研究所の平成28年度若手研究者海外研究集会等発表支援プログラムに採択いただき、2016年9月11日~16日にオーストラリアのアデレードにて開催された26th International Nuclear Physics Conference (INPC2016) に参加し、最近の研究成果について発表を行いました。 当会議は原子核分野で世界最大の国際会議であり、参加者は世界各国から約400名が集ました。 当会議のテーマは原子核構造・反応にとどまらず、原子核を用いた基礎物理研究、更には粒子線治療など幅広い分野にまたがっており、講演は376件の口頭発表と95件のポスター発表がありました。 今回、私は Fundamental Symmetries and Interactions in Nuclei というセッションで、"Search for the electron EDM with laser-cooled francium atoms"という題目で口頭発表を行いました。

本発表は、現在の物質優勢宇宙の起源解明に寄与する物理量である電子の永久電気双極子能率(EDM)の我々の探索計画についての報告です。 EDMは現在まで有限値が測定されていない物理量であり、測定されうるEDMが大きくなる対象を用いて誤差を抑制して測定することが重要となります。 そこで我々は原子を局所的に捕獲可能なレーザー冷却・捕獲技術を用いて測定されうるEDMが大きくなる放射性元素:フランシウム (Fr) 原子を用いて電子EDM探索を行うことを目指しており、Fr生成やレーザー冷却装置、及び統計誤差抑制のための重要な要素である高電場印加系の開発状況について発表を行いました。

会議中は様々な研究者と議論や情報交換を行うことで、今後の研究の方向性に対する指針を得ることができました。 更に本会議を通じて新たな研究者間の繋がりをつくることができ、今後の研究の更なる発展の芽を得ることができました。 このような機会を与えてくださった若手研究者海外研究集会等発表支援プログラムに感謝いたします。

口頭発表時の様子

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