東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

海外研究集会等発表支援 報告

船本 健一(新領域創成研究部 助教)

The 3rd International Symposium on Mechanobiology (ISMB 2017)
派遣先/シンガポール

期間/2017.12.10-12.14

この度、私は学際科学フロンティア研究所平成29年度若手研究者海外研究集会等発表支援プログラムの支援を受け、シンガポールにおいて開催された国際シンポジウムThe 3rd International Symposium on Mechanobiology(ISMB 2017,開催期間:2017年12月11日‐14日の4日間)に参加しました。ISMBは、生体内の細胞・組織・器官が周囲の力学場に対してどのように応答するかを研究する「メカノバイオロジー」について、International Society of Mechanobiologyが開催する国際シンポジウムです。3回目の今回はシンガポール国立大学メカノバイオロジー研究所がホストを務め、学会期間中の集計では19ヶ国から約280人が参加しました。基調講演(8件)と招待講演が中心の口頭発表(3つずつ並列で計30個のセッション,各5-6件の発表)、ポスター発表(50件)により研究報告がなされ、ポスター発表は初日からの3日間を通して行われました。

私は、学際科学フロンティア研究所の吉野大輔助教との共同研究の研究成果に関して、“Microfluidic device for co-culture under controlled oxygen”という題目でポスター発表を行いました。生体内の微小環境は、大気中よりも酸素濃度が低い低酸素状態にありますが、そのことによる細胞の挙動や、異なる細胞間の相互作用については未解明のことが多く残されています。本研究発表では、生体内の時空間変化する低酸素環境を再現して細胞実験を行うことが可能なマイクロ流体デバイスを開発し、実際にがん細胞と血管内皮細胞の共存培養を行って観察した細胞間の相互作用について報告しました。

ISMB2017への参加を通して研究成果を世界的に発信するとともに、メカノバイオロジーに関する最先端の研究内容を聴講することで、今後の実験に対して新たな着想を得ることができました。また、ISMB2017には共同研究を実施しているマサチューセッツ工科大学のRoger Kamm教授も参加されており、シンポジウム期間中に最近の研究成果と今後計画している共同研究の内容についてface-to-faceで深い議論を行うことができました。
ISMB2017への参加に際し、ご支援を頂いた海外研究集会等発表支援プログラムに心から感謝致します。

学会会場にて

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