公募研究
海外研究集会等発表支援 報告
Yueh-Hsuan Weng(新領域創成研究部 助教)
Identity Security Democracy: Challenges for Public Law(ICON-S2018)
開催地/中国・香港
期間/2018.6.23-6.28
この度、学際科学フロンテイア研究所の海外集会助成プログラムを頂き、2018年のICON-S年会に参加することができました。
「ICON-S」は、国際公法学会(The International Society of Public Law)と知られています。本学会を主催した香港大学法学部は、当学部の50周年を迎えに、今年の6月25日から27日まで、「Identity, Security, Democracy: Challenges for Public Law」というテーマで、お祝いの気持ちで行いました。これは、東アジアで初めて開催されたICON-S年会です。
今年のICON-S年会は参加者が千人以上で、大会の基調講演とワークショップのほかに、公法研究に関する174個のパネルが4つのセッションに分けられ、三日間を亘って行われました。
大会の基調講演には、世界中有名な公法学者らは、自分の国にある独特な事情や自身の経験をもとに、人権に関する多様性や独特性、裁判と民主化の関係、科学技術と法律に関する課題などを紹介しました。私は、基調講演に語られた科学技術と法律について関心を持っています。このセッションはまず、ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)ロー・スクール(Law School)のChristopher Yoo教授が、公法とテクノロジーの関係について演説しました。その演説は特に、政府機関の政策に影響を及ぼす人工知能の可能性に注目しています。そして、メリーランド大学(University of Maryland)ロー・スクールのFrank Pasquale教授は、「Legal Automation, Rule by Law, and the Rule of Law」という演説の中で、AIシステムを応用する際に起こったBlack Boxの問題を提出し、Explainable AIという解決法を提案しました。バーミンガンム大学(University of Birmingham)ロー・スクールと情報学科のKaren Yeung教授は、Big Dataと公共行政の影響について演説をしました。
私の発表はパネル第72号であり、「Rights, Governance and Accountability in a Data Intensive Age」という課題に向けて、「Accountability and Transparency in Embodied AI: A Focus on Sociable Robots」を発表しました。このパネルは、メリーランド大学のFrank Pasquale教授がチェアを担当し、ソーシャルメディアや、中国の社会信用システム、ロボティクスの科学技術に関するAccountabilityの確保が議論されました。異分野の視点を通して、このグループの議論は学際的な交流が出来ました。
最後に、学際科学フロンテイア研究所が若手研究者にこのような貴重な助成を提供してくださって、心から感謝の気持を申し上げます。
写真(左):Plenary Panel進行中の様子
写真(右):学会会場にて