東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

海外研究集会等発表支援 報告

下西 隆(新領域創成研究部 助教)

Exploring the Universe: Near Earth space science to extragalactic astronomy(EXUNIV2018)
開催地/インド・コルカタ

期間/2018.11.9-11.21

若手研究者国際化支援プログラムの海外研究集会等発表支援に採択いただき、2018年11月9日から21日にかけて、インド・コルカタのS. N. Bose National Centre for Basic Sciencesにて開催された宇宙科学に関する国際会議"Exploring the Universe: Near Earth Space Science to Extragalactic Astronomy"に参加し、天文学研究に関する基調講演を行いました。本国際会議には、世界各国から天文学・天体物理学・惑星科学・地球科学などを専門とする幅広い分野の研究者らが200名以上参加し、活発な議論が行われました。自身の講演では、過去の銀河系環境において星や惑星の材料となる物質の性質を理解する上で重要な手がかりとなる低重元素量環境下(炭素や酸素などの元素が少ない星間環境を意味する)での、星間分子化学に関する最新の研究成果の発表を行いました(参考文献. Shimonishi et al. 2018, ApJ, 862:102; Shimonishi et al. 2016, ApJ, 827:72; Shimonishi et al. 2016, A&A, 585:A107など)。自身の研究の重要性を世界各国の研究者らに伝え、活発な議論を行い、さらに宇宙科学に関する様々な分野の有益な情報を得ることができたことは、非常に貴重な経験となりました。
 
さらに、会議期間の前後には、Ankan Das博士をはじめとする現地の研究者らとの共同研究を行い、現在共同で執筆中の星間化学に関する論文に集中的に取り組みました(Shimonishi & Das in prep.; Gorai, Das, Shimonishi in prep.)。Das博士とは昨年度の人材育成コンソーシアムの海外研修を通して協力関係を築き、研究交流を深めています。滞在中は今後の継続的な共同研究に関する綿密な議論なども行い、有意義な時間となりました。また、滞在期間中、Das博士の所属する研究機関(Indian Centre for Space Physics)が新たな研究棟の建設を開始するということで、その起工式にお招き頂きました。興味深いことに、インドの起工式も鍬を使って土を掘り起こし、祈りを捧げるという日本でもお馴染みのスタイルで行われていました。また、大変光栄なことに、当日お披露目された着工記念プレート(完成予定の研究棟に設置予定)には、海外からの式典参加者として私の名前も刻んでくださいました。
 
このような貴重な機会を与えてくださいました本支援プログラムには心より感謝申し上げます。

写真(左):基調講演の会場となったインド・コルカタのサイエンスシティー
写真(右):自身の講演の様子(撮影: Bing-Ming Cheng教授)

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