東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

海外研究集会等発表支援 報告

許 勝(新領域創成研究部 助教)

第13回マルテンサイト変態に関する欧州会議 13th European Symposium on Martensitic Transformation (ESOMAT 2024), イタリア・レッコ Lecco – Italy

2024.8.24 – 9.7

この度、学際科学フロンティア研究所の2024年度若手研究者海外研究集会等発表支援プログラムのご支援を受け、イタリアのレッコで開催された第13回マルテンサイト変態に関する欧州会議 (ESOMAT 2024) に参加する貴重な機会をいただきました。ESOMATは、形状記憶特性の基盤となるマルテンサイト変態に特化した国際会議であり、理論やモデリングから、材料の力学的特性、製造技術、さらには実用化に向けた応用研究まで、幅広い議論が交わされる場です。この会議は1989年に初めて開催され、世界中から300人以上の専門家が集う、マルテンサイト研究の最前線を牽引する重要な学会です。

私は今回、形状記憶合金における極低温での弾性熱量効果を直接測定した研究成果について、口頭発表を行いました。発表後には、学界や産業界の研究者から多くの関心が寄せられ、私が開発した新しい形状記憶合金の特性や、その将来的な応用について、多くの専門家と活発な議論を交わすことができました。特に、極低温での弾性熱量効果に対する関心が高く、次世代の液体水素冷凍技術への応用についても具体的な提案がなされました。このように、多くの研究者や技術者との出会いを通じ、新たな視点と未来への可能性を感じる貴重な経験を得ました。

また、学会後には、スイス連邦工科大学チューリッヒ校とドイツのマックス・プランク持続可能な材料研究所を順次訪問し、共同研究に関する有意義な打ち合わせを行いました。これらの訪問を通じて、私の研究に新たな展望を広げるとともに、今後の国際的な連携をさらに深める一歩となりました。
最後に、この素晴らしい機会をいただいた若手研究者海外研究集会等発表支援プログラムならびに学際科学フロンティア研究所の皆様に、心より感謝申し上げます。この経験を糧に、今後さらに研究を発展させてまいりたいと思います。

 
レッコの絶景に囲まれた開催地にて
 

学会で口頭発表の様子
 
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