東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

海外研究集会等発表支援 報告

藤⽥ 拡樹(⼯学研究科化学⼯学専攻 修⼠1年)

SPIE Optics + Faraday Conference, Mead Gallery, Warwick Arts Centre, University of Warwick, Cambridge University, Imperial College London

2025.9.4-9.14

このたび、英国・ウォーリック⼤学で開催された Faraday Conference に初めて参加し、⾮常に有意義な時間を過ごすことができた。本学会は電池研究分野において最も権威ある国際会議の⼀つであり、世界中の研究者が集う場である。私はポスター発表を通じて⾃⾝の研究成果を紹介し、国内外の研究者から直接フィードバックを得ることができた。

特に印象深い経験は、2019 年にノーベル化学賞を受賞した Sir Michael Stanley Whittingham 教授と直接議論する機会を得たことである(写真1)。私の研究について研究アプローチや今後の展望について意⾒交換を⾏えたことは、今後の研究活動に⼤きな刺激となった。本会議では、リチウムイオン電池のみならず、リチウム空気電池やリチウム硫⻩電池など、次世代電池技術に関する幅広い知⾒を深めることができた。特に「電池のリサイクル」をテーマとするセッションでは、これまで⾃分の研究には⼗分に取り⼊れていなかった環境負荷や持続可能性の視点について多くの⽰唆を得た。今後は、環境⾯にも配慮した研究を進める必要性を強く感じた。

ポスターセッションでは、⾃⾝の成果を英語で説明することで、学術的表現⼒だけでなく、ボディーランゲージを含む発表⽅法の重要性も学んだ(写真2)。同時に、⾃らの英語運⽤能⼒の不⾜を痛感し、研究分野の専⾨語彙にとどまらず、⽇常的な英会話能⼒をさらに向上させる必要があると実感した。
 
学会前後には、ケンブリッジ⼤学の Prof. Alexander Forse、インペリアル・カレッジ・ロンドンの Prof. Magda Titirici および Dr. Heather Au の研究室を訪問した。特に Prof. Alexander Forse とのデスカッションにおいて、私の機械学習の知⾒を⽤い、カーボン材料のキャパシタンスの予測を⾏うという新たな取り組みを始めることで合意した。これらの訪問を通じ、既にオンラインで築いていた研究交流を対⾯でさらに深化させることができ、将来的な共同研究やプロジェクト⽴ち上げに向けた具体的な議論を進めることができた。これらの⼤学は電池研究における世界的拠点であり、現地研究者とのネットワーク構築は今後の国際的な研究活動を推進する上で極めて重要な財産となった。

本出張を通じて得られた最⼤の成果は、国際的な研究者ネットワークの拡⼤ と、新たな研究視点の獲得である。今後は以下の点を重点的に取り組む予定である。
•環境負荷低減を考慮した次世代電池材料設計
•英語による研究発表⼒および⽇常会話⼒の向上
•英国⼤学との共同研究プロジェクトの具体化

総じて、本国際学会および研究室訪問は、私にとって研究者としての成⻑に直結する貴重な経験となった。これらの経験を糧に、今後は国際的に活躍できる研究者を⽬指して邁進していきたい。
 
 

写真1 Whittingham 教授と議論の後のツーショット写真
 

写真2 ポスタープレゼンテーション
 
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