東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

海外研究集会等発表支援 報告

高橋 佑磨(新領域創成研究部 助教)

第14回 欧州進化生物学会会議(14th Congress of the European Society for Evolutionary Biology)
開催地/ポルトガル・リスボン

期間/2013.8.19-24

このたび、学際科学フロンティア研究所の海外研究集会発表支援プログラムに採択を頂き、2013年8月19~24日にポルトガルのリスボンで開催された第14回 欧州進化生物学会会議(14th Congress of the European Society for Evolutionary Biology)に参加し、最近の研究成果について発表を行なってきました。

当該会議は、進化生物学分野における世界最大級の国際会議のひとつであり、ヨーロッパに限らず世界各国から1500人程度の参加者があります。私は、気候変動と進化(Climate change and evolution)というセッションにおいて“Genetic architecture and phenotypic mismatch at range limits in colour polymorphic damselflies”という演題でポスター発表を行なってきました。この発表では、2種のトンボ(アオモンイトトンボとアジアイトトンボ)に関して、日本国内における形態の地理的変異と遺伝的変異の空間構造を明らにすることで、これらの種の分布限界(北限など)が成立する仕組みを明らかにしたものです。具体的には、遺伝的な多様性の現象が分布限界の成立に関わっていることがわかってきました。本研究は気候変動などによる生物の分布域の変化を予測する際に役立つ基礎的情報になると期待されています。

会期中は、自身の研究成果について多くの研究者と議論することを通じ、今後の方向性や展開について意見交換できたことは何事にも代えがたい収穫でありました。もちろん、最近の研究の動向や手法の発展を知ることができたことも、大変有意義でした。また、本研究成果とは別に行なっている共同研究について、スウェーデンのルンド大学のメンバーと議論する機会も作ることができ、研究計画や論文執筆について打ち合わせを行なうこともできました。

このような機会を与えて頂いた若手研究者海外研究集会等発表支援プログラムに感謝致します。

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