東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

海外研究集会等発表支援 報告

増野いづみ(村上プログラム・理学研究科博士1年)

2014 AGU Fall meeting
開催地/アメリカ・サンフランシスコ

期間/2014.12.14-12.21

このたび、学際科学フロンティア研究所若手研究者海外研究集会等発表支援プログラムに採択を頂き、2014年12月15~19日にアメリカのサンフランシスコで開催された2014 AGU Fall meeting に参加し、最近の研究成果について発表を行なってきました。AGU Fall meetingは、地球科学の分野で最も規模の大きな国際学会で、今年は世界中から約2万4千人以上の参加者が集まりました。今回私は“Sound velocity of δ-AlOOH up to core-mantle boundary pressures: Implications for the seismic anomalies induced by hydrated sediment in subducting slabs”というタイトルで口頭発表を行いました。

本研究では地球内部の大規模な水輸送に寄与していると提唱されているδ-AlOOH相の超高圧における弾性波速度を測定することで、δ-AlOOH相は含水鉱物であるにもかかわらず、 マントル遷移層に存在する鉱物の中で剛性率の大きな鉱物のひとつであり、マントル遷移層に存在する鉱物であるウォズレアイトやリングウッダイトと比較すると、δ-AlOOH相は約20%ほどVSが速いということが分かりました。本研究により、δ-AlOOH相を含んだ沈み込むスラブ物質が地球のマントル遷移層で2%の正の地震波不連続へ寄与している可能性が示唆されることを報告しました。

本会議では、自身の研究成果について世界的研究者と議論することができ、大変有意義な会議でした。また、今後の研究方向に対し多くの知見が得られると共に、多くの研究者との交流を通じて先端技術の動向、人的ネットワーク強化も得られました。このような機会を与えて頂いた学際科学フロンティア研究所若手研究者海外研究集会等発表支援プログラムに感謝いたします。

  • 左:口頭発表時の様子。

  • 右:会場入り口。

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