東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

海外研究集会等発表支援 報告

鬼沢 直哉(新領域創成研究部 助教)

確率的情報処理に基づく高速・低電力ネットワークVLSIの実現に関する研究
派遣先/カナダ ケベック州モントリオール市McGill大学

期間/2014.12.14-12.21

このたび、学際科学フロンティア研究所の海外共同研究および発表支援プログラムに採択を頂き、2015年1月17日~24日にカナダ ケベック州モントリオール市のMcGill大学のWarren J. Gross准教授と、確率的情報処理に基づく高速・低電力ネットワークVLSIの実現に関する共同研究の打ち合わせを行いました。Gross博士は確率的情報処理を活用した、カスタムコンピューティングのアルゴリズムおよびアーキテクチャ設計に関する分野において、多数の重要な業績を上げている研究者です。また、筆者は2011年から2年間Gross博士の元で博士研究員として研究を行っており、現在も継続して共同研究を行っています。

本提案では、インターネット上のデータ通信のセキュリティーを向上させるためのプロセッサ(VLSI:Very Large Scale Integration)の高速・低電力化を行っております。従来方式のContent-Addressable Memory(CAM)では、入力パターンと侵入・ウィルスパターンとの総当り検索を行う必要あるため、非常に消費電力が大きくなってしまう問題がありました。提案のアルゴリズムでは、入力パターンに確率的に近似する侵入パターンのみとの検索を行うことで、VLSIの消費電力を削減しつつ、従来と同等の検索が可能になります。今回の派遣では、本提案アルゴリズムをVLSIで実現するための、アルゴリズムの改善案の検討、及びそのVLSIチップ設計に関する打ち合わせを行いました。

本打ち合わせを通じて、共同研究の方向性が明確になっただけでなく、Gross准教授の研究室の学生と連携をして研究を進めていくこととなり、研究の進展をさらに加速することが可能となりました。このような機会を与えて下さった海外共同研究および発表支援プログラムに感謝いたします。

  • 左:カナダMcGill大学の正門からの風景。

  • 右:Warren J. Gross博士(左)と筆者(右)。

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