東北大学
学際科学フロンティア研究所

公募研究

海外研究集会等発表支援 報告

山本 英明(新領域創成研究部 助教)

Forschungszentrum Jülich; FZJ(ユーリッヒ総合研究機構との共同研究)
派遣先/ドイツ・ユーリッヒ総合研究機構

期間/2015.3.8-22

平成26年度「海外共同研究および発表支援プログラム」の支援を受けて、この度、ドイツ・ユーリッヒ総合研究機構(Forschungszentrum Jülich; FZJ)のAndreas Offenhäusser教授の研究室を訪問いたしました。Offenhäusser教授は、「ニューロエレクトロニクス」と呼ばれる電子工学と神経科学との融合研究をその黎明期から先導されてきた先生で、現在はFZJの一組織である複雑系科学研究所バイオエレクトロニクス部門の所長兼部門長を務められながら、約30名の研究者・大学院生からなるご自身のチームを率いておられます。私が博士課程在籍時に現在の研究テーマを立ち上げた当初から、あこがれをもって論文を精読してきた先生でもあります。

今回の訪問の最大の目的は、神経細胞回路の活動をセンサーや電子回路と繋ぐためのインターフェース技術や計測法に関する実験技術を学ぶことでした。私がこれまでに確立してきたナノ加工技術と組み合わせることで、研究を新たな方向に展開していけると考えたためです。昨年9月に研究室を数日訪れた際に、Offenhäusser先生やラボの方々とオフィスでディスカッションをすることはできましたが、今回は2週間という滞在期間を得たことにより、Offenhäusser先生が20年近くをかけて開発・蓄積されてきた装置やデバイス、実験方法をかなり細部まで実際に見せていただくことができました・

またこれ以外の研究テーマについても、まだ論文として報告されていない段階の研究も含めて、研究室のメンバーがとてもオープンに解説してくれ、実験を見せてくれました.特に,創薬支援などへの応用展開を見据えたときに重要になるマイクロ流路デバイスの作製方法や作業行程を見せてもらえたのは、予期せぬ収穫でした。また同じフロアに研究室を構えられているBernhard Wolfrum先生とも、周辺分野のこれからの動向について率直な意見交換をすることができました。

このように今回の滞在では、ニューロエレクトロニクスに関する研究課題を国際共同研究として展開するための土台作りができ、さらに私自身がこれから研究の幅を拡げていくための沢山の新鮮な「具材」を自分の中に揃えることができました。今回の訪問をご支援頂いた学際科学フロンティア研究所 国際化推進委員会の先生方に、改めて御礼申し上げます。

ユーリッヒ総合研究機構の正門前通り。

Wolfrum先生宅でのホームパーティーにて、Offenhäusser先生(後列左から2番目)、
Wolfrum先生(後列左から4番目)、Rinklin博士(後列左から6番目)のご家族と共に。
筆者は後列左から3番目。

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