先端学際基幹研究部
研究分野 | 天文学・宇宙物理学 |
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主な研究テーマ |
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所属学会 | 日本天文学会、日本物理学会 |
研究概要 | |
宇宙全体の進化やその中の多種多様な天体現象には、依然として多くの謎が残されています。ダークマターやダークエネルギーの正体は何か?異次元はあるのか?宇宙に数多く確認されているブラックホール候補天体の正体と宇宙におけるその役割とは何か?恒星はいかにして生まれ、いかにして爆発するのか?恒星の周りで惑星はいかにして生まれるのか?地球外に生命は存在するのか? 天体現象はもちろん実験室で調整できません。そのため、条件を整えてある特定の性質を抽出するということが難しく、現象を理解するにはたいてい様々な学問の原理にまたがることになり、自ずと学際的な研究となります。現象の構成要素は、多種の元素の原子ガス、分子ガス、電離プラズマ、光子、ニュートリノ、核物質、ダークマター、ダークエネルギーなど実に多様であり、それに対して私は力学、電磁気学、熱力学、流体力学、プラズマ物理学、素粒子論、相対性理論などを駆使して理論的な研究をしています。 私が特に注目しているのが、ブラックホールが引き起こす極限的現象です。ブラックホールは物質を吸い込むだけでなく、エネルギーを放出することがあると予想されています。私は相対性理論とプラズマ物理を融合させ、エネルギー放出が起こるための条件を数式で明らかにしました。数式を使った研究だけでなく、電波からガンマ線の広い波長域に渡る光の観測データを使った国際共同研究も活発に進めています。特に、偏光観測からブラックホール誕生時に起こる爆発のメカニズムに迫れることを示し、新しい研究領域を開拓しました。最近では大規模計算機クラスタを用いた数値実験も行っています。 学際研では、大学院生を含めた全領域の若手研究者を巻き込んだ様々な研究交流(座談会、セミナー、研究会、オムニバス書籍執筆など)を企画し、実践しています。その中で得た異分野の考え方を柔軟に取り入れて、自分の研究を質的に拡張しています。逆に理論天文学の考え方が他の分野の発展に寄与できるか常に模索しています。 |
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